ゴルフらしさという基本コンセプトを変えることなく新しさを実現した、外観デザインの変貌ぶりは見事。それ以上に、従来のコンポーネンツを使いながら、各部にファインチューニングを施し、一段と走行感覚に磨きをかけたのには驚きを禁じえない。
見た目では、コストを上げた様子は見当たらないのに、走らせると、そこかしこから上質な感じが伝わってくる。35年間で2600万台以上を販売してきたベストセラーカーのモデルチェンジとしては、大成功と思う。
唯一改善されなかった箇所として、アクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏むとエンジンがストールしてしまう点が挙げられる。例えば、ブレーキペダルを踏んでの停車状態から「さぁ出よう」とサッとペダルを踏み替えるとき、両ペダルに足がかかるシチュエーションはありうる。そんなとき、靴の一部がアクセルペダルに触れただけでも律儀にエンジンはストールしてしまう……また新たな事故を招きかねないか、心配である。
アウディとフォルクスワーゲンにとって、過去に起きたAT車のブレーキペダル踏み違いによる事故が未だにトラウマとなっているのはわかるが、せめてリカバリーをもっと速やかにする必要がある。
この現象はツインチャージャーよりもシングルチャージャーの方が程度は軽く、エンジンストール後の繋がりもよりスムーズだ。この点では廉価モデル「TSIコンフォートライン」のほうがオススメである。