たった今、新型「トヨタ・プリウス」の試乗会(初日)から戻りました。異なる仕様の「プリウス」をとっかえひっかえ乗った印象を書かせていただきますが、何が知りたいって、やはり焦点は「ホンダ・インサイト」とどっちがいいの? という部分だ。
結論から書くと、乗り心地のよさや静かさなどの快適性、後席の広さという実用性、それに余裕ある動力性能などをトータルで考えて、「プリウス」に軍配をあげる。しかもそういった実用面だけでなく、「プリウス」には“新しいモノ”にふれる喜びもある。それは、液晶テレビが初めてわが家に来た日のウキウキ感にも似ている。
ホンダとしては、189万円からという「インサイト」の低価格をウリにするつもりだった。けれども、「プリウス」の最廉価版が予想よりはるかに安い205万円に設定されたことで、目論見は外れた。しかも189万円の「インサイト」にVSA(横滑り防止装置)やサイドエアバッグなどの安全装備をオプションで装着すると、軽く200万円オーバー。いっぽう205万円の「プリウス」には、その2つに類する安全装備は標準で付いている。つまりは、「インサイト」の価格での優位性にも「?」が付く。
ただし「プリウスの勝ち」よりも、「プリウスのリード」という表現のほうが正確かもしれない。「プリウス」対「インサイト」のバトルは今後50年、100年にわたって世界中で繰り広げられる、長い長い物語のほんのさわりにすぎないからだ。1回の表、先攻のトヨタが打者一巡の猛攻で5点を先取したぐらいの感じだ。解説席に冷静沈着な古田敦也さんが座っていれば、「まだ8イニングありますから」と楽勝ムードにクギを刺すに違いない。