そのカタチは、「ルノー・カングー」あたりの欧州フルゴネットを思わせる。2007年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカーほぼそのままのサイズとスタイルで登場した「NV200バネット」(以下NV200)が、このように一部のマニア(ワタシも含む)にもツキ刺さりそうなカタチで登場したのには、それなりの理由がある。
5ナンバー登録のワゴンモデル(7人乗り)も用意するNV200だが、主力はあくまで4ナンバー登録の商用車だ。スタイリングは独特だが、強いていえば、従来型バネット/ボンゴ/デリカ(すべてマツダ製OEM)やトヨタ・ライトエース/タウンエース(インドネシア製)などの小型ワンボックスバンと競合するクルマである。しかし、「優先すべきは人間の空間より荷室長」という日本の商用車設計の定石からすれば、ご覧のように、NV200はハナが長すぎる。なんとなく同じ日産のセレナに似ていると思ったら、担当したチーフデザイナーはセレナと同一人物だそうだ。
NV200がこういうカタチなのは、これが日本だけでなく、ヨーロッパや中国でも現地生産して真剣に大量販売をもくろむ世界戦略車だからだ。もちろん、日本の商用車はこれまでも世界中で作られて売られてきたのだが、基本パッケージからこれほどグローバル販売を想定した商用車は日産でも初の試みだとか。フロントタイヤと運転席が近すぎる日本流ワンボックスパッケージでは、小回り性や積載性能にはメリットがあっても、ヨーロッパで求められる高速性能や運転席環境をクリアできないのだろう。