単なる台数の減少のみならず、市場占有率の低下をも伝えられる、日本での輸入車販売。残念ながら、そんな中でも、昨今の落ち込み幅が大きく伝えられるブランドのひとつがボルボだ。
そうした動きに至った要因のひとつとしてすぐに思い浮かぶのが、これまで日本でのボルボ車の代表格として親しまれてきた「V70」シリーズに、かつての勢いが見られないこと。そもそも、一世を風靡してきた日本でのステーションワゴン人気が下火になったこと。そして、モデルチェンジを行った最新「V70」のボディサイズが、これまで日本で興味を示して来た人の“守備範囲”を超えてしまったこと、などがその理由に挙げられる。
そんなこんなでちょっとばかり元気が感じられなかったボルボ車のラインナップに、強力なカンフル剤として加えられたのが「XC60」。3列シートSUVの「XC90」比で、全長が185mm、ホイールベースが80mmのマイナスというサイズは、その弟分的イメージ。ただし、わずかに20mm小さいだけの1890mmという全幅は、実は直列6気筒エンジンを横置きするという独自のレイアウトからくる、物理的な制約のせいでもあるはずだ。
一方で、そんな事情を生かして成立したのが、ボルボ車史上で最も情感豊かなスタイリング。後方を強く絞り込んだキャビン部分の造形や、強く張りだしたステップ状ショルダーの採用は、先のワイドな全幅が許されてこそ表現が可能になったポイントであるはず。30km/hまでの範囲内で働く、追突回避・低減自動ブレーキの“シティ・セーフティ”の標準採用も、もちろん大きなセールスポイントになる。