アクセルペダルを踏む右足に力を込めると、最高出力510ps、最大トルク63.7kgmという圧倒的なスペックを誇るV型8気筒5リッター直噴スーパーチャージドユニットは、間髪入れずに図太いトルクを生み出し、軽くはないボディを猛然と加速させる。トルクのツキが良いだけじゃない。このエンジンはその後の伸びも素晴らしく、従来のスーパーチャージャー特有のミーッという音ではない、耳に心地良いサウンドを響かせながら、トップエンドに向かって嬉々として昇りつめる。
コーナーが近づいてきたらブレーキング。慣性のついた重い車体を後ろから鷲掴みするかのように、一気に速度が削られていく。フロントに6ポッドモノブロック対向キャリパーを使ったブレーキシステムは、ブレンボ製である。
ターンインの際のノーズの入りは、まさに思いのまま。ステアリングの切り込みにリニアに向きが変わっていく。過大なロールとは無縁だし、奥が深く曲がり込んでいたとしても更に切り込むだけでクルマがしっかり反応してくれる。挙動のすべてがソリッドだから、その気になれば振り回すような走りだって可能なのだ。
ハイパフォーマーの性能指標であるニュルブルクリンク旧コースでのラップタイムは、8分49秒を記録しているという。このクルマは一体何かと言えば、2010年モデルとしてフェイスリフトを受けた「レンジローバースポーツ 5.0 V8スーパーチャージド」である。