乗る前には正直言って侮っていた。なにしろ新しい「マークX」は、プラットフォームは先代のものを踏襲し、車両価格が安くなっている。「マークIIの2リッターモデルと同じ値段で2.5リッターを成立させる」ために、走りを含めたいたるところに安普請のあとがうかがえた先代の轍を踏むことになるのでは……、そんな先入観を抱いていたのである。
そのエクステリアはさながら「ミニ・クラウン」といった趣だ。3眼のヘッドランプなど先代のアイデンティティを継承しつつも、強調された前後フェンダーなどのディテールが躍動感を演出している。チーフエンジニアは、かつて製品企画としてあの「ヴェロッサ」にも関わったというから、そういう要素もあるのかもしれない。
インテリアの仕立ての良さには目を見張る。先代のような奇をてらった意匠ではないが、ダッシュボード上側のソフト部分などは成形品質も高く、パッと見、上質感がある。しかし実はコストは先代の方が掛かっていたという。要するに見せ方の問題。デザイナーの自己満足ではなく、デザインにしても素材の使い方にしても、ユーザーに良いと思ってもらえるツボを押さえることがポイントというわけだ。
広さも十分満足できる。全幅が拡大した分、前後席とも左右方向の余裕が向上。特にリクライニング機能まで備えた後席は、FFのライバル達にも負けていない。