数年前に、ボルボのホームタウンである、スウェーデンのイエテボリを訪れたときのこと。てんこ盛りのロブスターをよそに、ワタシが夢中で頬張っていたのは、パン! 皮が薄く、中はふんわりモチッとしていて、ほんのり甘みのあるパンが、それはそれは美味しくて、「このパンがあればシアワセ〜!」なんて、つい食べ過ぎてしまったんでした。おかげで日本に帰るころには、すっかりデブに。
この食感って、ボルボ車に共通する、癒しの乗り心地にも似ているんですよ。もしかしたら、開発者も気がつかないうちに、主食であるパンが、その国のクルマの乗り心地を決めるうえでの重要な試金石になっているのかも……ってのは、オーバーかな?
それに、スウェーデンではそれほどお金持ちでなくても、別荘かボートを持っているんですって。入り江ごとに点在するマリーナでは、船の上で食事をするファミリーをよく見かけたけれど、ボルボに乗っているってだけで、そんな優雅な気分を満喫できるような気がするんです。ボルボ車って、実用的だけど、シアワセ度満点のリゾートカーでもあるんですよね。
今回乗り比べたのは、「XC」3兄弟。なかでも、2009年8月末に発表されたばかりの「XC60」は、世界で初めて「シティセーフティ」が標準装備となった注目のモデル。一見するとボディが大きく、扱いにくそうな印象だったけれど、実際に運転してみると意外や意外。シートポジションは高めとはいえ、片足を地面につけたまま腰を下ろせて、乗り降りにムリのない高さだし、見切りも悪くないから、ボディの大きさを感じさせない。
足まわりは適度に硬めで、ロールもほとんど感じられないけれど、芝の上を走っているような、角のとれたしっとり感がある。スポーティ仕上げなのに癒しがある、ここがボルボらしい乗り心地なんですよね。