「セダンもポルシェでなきゃ」という人のための新型ポルシェが「パナメーラ」である。「SUVもポルシェでなきゃ」という人のためのクルマが、2002年登場の「カイエン」で、これは(少なくともリーマン・ショックの前まで)アメリカで大成功を収めた。先進国ほど道路事情がよくない新興経済国でもよく売れている。とくにロシアでは、ポルシェといえばカイエンを指すほどの高い人気を誇る。道が悪かったり、凍ってたりしたら、そりゃどう考えたって「911」よりカイエンである。
永遠にスポーツカーメーカーであってほしい、なんていう願望はポルシェ・フリークのセンチメンタリズムに過ぎないのだ。果たしてパナメーラは、カイエンに次ぐヒット作になれるだろうか。
昔、パンナム(パン・アメリカン航空)というアメリカのエアラインがあったが、パナメーラも車名からしてアメリカンな大型5ドアセダンである。5mをわずかにきる全長は、「メルセデス・ベンツSクラス」や「BMW7シリーズ」より短いが、1930mmの全幅はそれらをしのぐ。
このクラスにはないハッチバックというユニークなボディ形式で、屋根が後ろまで延びているため、サイズ以上にながーいクルマに感じられる。今回走ったのは高速道路とワインディングロードが主だったが、“押し出し”とは引き換えに、狭い市街路ではいささか持て余しそうな体躯である。