2009年10月にマイナーチェンジを受けて少し大人っぽい顔つきになった「プジョー207プレミアム」のステアリングホイールを握りながら、クルマって奥が深いとつくづく思う。1.6リッターの直列4気筒エンジンは「BMWと共同開発」という謳い文句こそ派手だけれど、出力はジミに120ps。トランスミッションは4段ATだから、はっきりと古い。しかしですね、「プジョー207プレミアム」はクルマはスペックじゃ評価できないというあたりまえのことを教えてくれた。
何がいいって、まず乗り心地がいい。10〜30km/h程度の低速でこそゴロゴロするけれど、そこから上はいたって快適。サスペンションが一所懸命に伸びたり縮んだりして、路面の凸凹をなかったことにしてくれる。ただソフトなだけでなく“抑え”も効いていて、たとえば段差を乗り越えた後のボディの上下動はビシッと一発で収まる。掛け心地のいいシートのおかげもあって、コンパクトカーでありながら長距離移動は得意科目だ。
最初は乗り心地のよさに心を奪われるけれど、1時間も乗っているとキモチよくドライブできるほかの理由も見えてくる。それは、ステアリングホイールの手応えのよさだ。重すぎず、軽すぎず、路面からの情報を的確に伝えてくれる。こう書くとあたりまえのことに聞こえるかもしれない。けれども白いゴハンがおいしい食堂と同じで、あたりまえのところに作り手の良心や腕が表れるんじゃないか。