新生GMの第1弾が、2002年以来7年ぶりに復活した「シボレー・カマロ」である。といっても、最初にコンセプトカーとして姿を見せたのは2006年のデトロイトショーだから、正確にいえば破綻前のプロダクトだ。
しかもスタイリングは、1967年から3年間だけ作られた「初代」のセルフカバーで、サイズは4840×1915×1380mmと相変わらず大きい。
ビジネス誌の記者なら、「GMいまだ反省の色なし」とバッサリ切り捨てるのかもしれないけれど、僕は正反対の印象を抱いた。キャビンやフェンダーは1968年式、大径ヘッドランプやリアフェンダーのルーバーは1969年式をモチーフとしたボディが、理屈抜きにカッコいいからだ。
エクステリアだけじゃない。四角い速度計と回転計を運転席の前に据え、センターコンソールの奥に4つのサブメーターを置き、助手席側はだだっ広い壁というインパネも昔のまま。ブルーのイルミネーションや、ビートの効いたオーディオを含めて、うれしくなるほどアメリカンな空間だ。
シートは背中から腰までをカチッと支えつつ、座面はふっかりしていて、背もたれを倒したドラポジになる。数字に出ない「気分」の演出がすばらしい。
今後の自動車は二極化が進むはずだ。街乗り用のエコカーは、カーシェアリングなどで「使う」パターンが多くなる。つまり「買う」クルマは、デザインや走りなど、欲しくなる魅力があるかどうかが大事になっていく。その点で、プラグインハイブリッドカー「シボレー・ボルト」の発売を控えつつ、カマロのようなスポーツクーペをリリースしたGMは、やっぱり「自動車とはなにか」を熟知していると感じたのである。