日本でいちばん売れているシトロエン車はこの「C4ピカソ」だと聞かされて、一瞬驚いたが、冷静に考えれば妥当な結果かもしれない。ルノーのベストセラーは「カングー」だし、「プジョー307」は約4割がSWだったからだ。
日本人のミニバン好きが反映された結果ともいえるけれど、フランスのメーカーは「2CV」や「キャトル」の時代からユーティリティ系を得意としていることが、ユーザーにも伝わっているんじゃないだろうか。
シトロエンにおいてその歴史を紐解くと、戦前から存在した「ファミリアール」と呼ばれる車種に行き着く。セダンのキャビンを前後に伸ばして3列シートとしたもので、ミニバンとワゴンの中間といえるモデル。このように昔から多座席車の経験があったのは事実だ。
C4ピカソは車名のとおり「C4」をベースとしながらも、前席頭上まで伸びる巨大なウインドスクリーン、名車「DS」を思わせる、ステアリングコラムから斜めに生えたシフトレバー、荷重変化に対応するリアエアサスペンションなど、独自のデザインやメカニズムをいくつも採り入れている。
おかげで7人全員が楽しく快適にドライブできる空間を作り出すことに成功した。シトロエンの独創性だけではなく、戦前から続く多座席車作りの経験が生かされた結果といえるだろう。