いかにも室内スペースを優先したビッグキャビンが印象的だった先代に対して、新型フーガは、今どきめずらしいほど古典的なスモールキャビン&ロングノーズスタイルに見える。しかし、その基本骨格は先代のFMプラットフォームの改良型といってよく、ホイールベースも各ヒップポイントも変わっていない……というのは驚きだ。もともと広大な室内空間で定評のあったパッケージを維持しつつ、これだけ“魅せる”スタイリングを実現したデザイン力はちょっとしたものである。
新型フーガで最高価格かつ最速なのは「370GT タイプS」だ。日産版バルブトロニック(VVEL)の最強3.7リッターV6が豪快に吠えまくり、日産自慢のアクティブ4WSでグイングイン曲がり、可変ダンピング式ダンパーなしでも大径20インチホイールをそこそこ履きこなす370GT タイプSは、なるほどインフィニティらしさを純粋培養したような高級セダンである。しかし、今回の主役はフーガ全体の半分以上を占める2.5リッターだ。
ちなみに新型フーガ(海外名:インフィニティM)では3.7リッターをほぼ世界共通で用意するものの、もうひとつの選択肢は市場によって異なる。日本では前記のとおり2.5リッターV6が用意されるが、たとえば北米では5.6リッターV8が、欧州ではディーゼルが用意されることになっており、さらに今年夏以降、V6ベースのハイブリッドが順次追加される。
370GT タイプS以外のフーガは、全車が18インチホイールとなって、アクティブ4WSもつかない。とくにこの250GTは当然ながら新型フーガでは最も穏やかな仕立てのはずだが、それでもその走りは意外なほど鋭く豪快系といっていい。