「ホンダCR-Z」は、タイムマシンみたいなクルマだった。小柄ながらカタマリ感のあるスタイルや清々しい乗り味は、1980年代後半の2代目“サイバー・スポーツ”「ホンダCR-X」を思い出させる。一方、インパネに表示されるエンジンとモーターの関係を意識しながら走らせると、新しいモノにふれる喜びを味わうことができる。だからCR-Zのステアリングホイールを握っていると、過去と未来を行ったり来たり。
もうひとつ面白かったのは、編集担当、カメラマン、ライターとも、“お買い物モード”になっていたことだ。取材班全員がこれだけ熱心にカタログを読み込む新型車は、ここ最近記憶にない。
パワートレインは1.5リッターのi-VTECエンジン+IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)のみ。トランスミッションは6段MTとCVTが用意される。まずは豪華グレードの「α」(6MT)から試乗をスタート。
シート位置を合わせ、十分な調整幅を持つテレスコピック&チルト機構でステアリングホイールの位置を決めると、ドライビングポジションがビシッと決まる。着座位置はかなり低い。ちなみに、ドライバーのヒップポジションは「シビック タイプR」よりさらに30mm低いという。
削り出しのアルミにレザーを巻いたαのシフトノブは手触りがよく、コクンと入る手応えもいい。6段MTは、1.8リッターの欧州仕様のシビック用をベースにしたもの。ただしスターターの位置が違うため、設計はほぼ全面的に見直されている。