「BMW X1」は、後輪駆動の「sDrive18i」(エンジンは2リッター)で363万円……と、けっこう衝撃的な戦略価格で話題である。「3シリーズ」より全長は短いが、ホイールベースは同じで、エクステリア/インテリアともに少なくとも「1シリーズ」よりは高級に見える。SUVとしてはボディが異例に低いが、一般のセダン/ステーションワゴンよりは背高で、着座姿勢や室内空間、視界性能は前後シートとも3シリーズより健康的である。これでコンパクトハッチの「120i」とほぼ同じ値段(正確には1万円安い!)、「320iツーリング」より100万円以上安いんだから、まあ商品力は強烈だ。
ただし、ここでの主題は同じ「X1」でも上級モデルの「xDrive25i」のほうである。BMW伝統の直列6気筒を積んで、電子制御油圧多板クラッチで随時フロントへ駆動配分制御する4WDシステムを持つ。車名は“25i”だが、こっちの排気量は正確には2996cc、つまりは3リッター。車名の数字が単純に排気量を示さない、エンジンチューンに応じて微妙に変わる命名法はBMWではけっこう昔から採られてきたが、エコ技術が進んできた昨今では車名と実排気量のズレが著しい。細かく追っかけてもその命名ロジックはすぐに変わるので、ハッキリいってよく分からない。エンジン排気量ではなく、性能に応じて“従来の○リッター相当の性能”ということなのだろうが、排気量によって規則的に自動車税額も変わる日本では、いわゆる車格をちょっとイメージしにくいのは否めない。
それはともかく、「X1」はSUV(BMW流にいえばSAV)とはいっても、全高は日本の立体駐車場対応の1545mmしかない。セダンでもハッチバックでも全高1.5m超えはめずらしくない昨今では、「X1」のディメンションはもはや明確なユーティリティモデルとはいえないものだ。また、今回の取材車が履いていた225/50R17サイズの「ピレリ・チントゥラートP7」は、サイズも銘柄も完全な高級乗用車タイヤであり、足元にもSUVっぽさが完全になくなっている。