「A1」は、その名が示すとおり“いちばん小さなアウディ”である。全長3954mmは、親戚関係にある「フォルクスワーゲン・ポロ」の3995mmさえ下回るほどのサイズ。つまり、世間でいうところのBセグメントに属するわけだが、最近のアウディの例に漏れず、内外装のクオリティ感は驚くほど高い。
どれくらい高いかというと、ひょっとすると現行型「A3」をしのぎ、誕生からまだ2年しか経っていない「A4」にも匹敵すると思えるほど、きっちりと作り込まれている。それどころか、A1にはA3にも採用されていない統合コントロールシステム「MMI」(マルチメディアインターフェース)が用意されるほか、ナビゲーションシステムのロジックも、日本ではまだ発売もされていない新型「A8」と基本的に同じものになるという。
今回の試乗会に同行したデザイナーのひとりは「アウディの品質基準はひとつだけ。大型モデルも小型モデルも関係ありません」と語っていたが、たしかにそのとおりだと思う。
ただし、ただ贅(ぜい)を尽くすだけでは、現代の自動車として失格である。省資源でローエミッションという課題もしっかりとこなさなければ、市場では受け入れられない。その点、A1はしっかりと宿題をこなしている。
今回は、日本市場への導入が見込まれるガソリンモデル「1.4 TFSI」を中心に紹介する。まず、エンジンはフォルクスワーゲン・グループ自慢の1.4リッター直噴ガソリンターボエンジン(最高出力:122ps/5000rpm、最大トルク:20.4kgm/1500-4000rpm)を搭載。もともと燃焼効率の高い直噴ガソリンエンジンのパワーをターボで補っているのだから、力強さの点でも燃費の点でもかなりの高得点が期待できる。
これに組み合わせられるトランスミッションは、これまたフォルクスワーゲン・グループ自慢のデュアルクラッチシステム「Sトロニック」である。通常のMTと基本的な機構が同じなので伝達効率に優れるうえ、7段ギアボックスのギア比がワイドに設定されているため、カタログデータだけでなく実際に走らせても燃費がいいのが売り物。電光石火の速さでシフトするのにショックをほとんど感じなくて済むのも、デュアルクラッチシステムゆえの特徴といえる。