トップニュース(リスト)アウディの新しいルマン・マシン「R10」はディーゼル搭載、3年ぶりにワークス復帰 (05.12.15)
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アウディの新しいルマン・マシン「R10」はディーゼル搭載、3年ぶりにワークス復帰


1999年の初参戦以来、伝統の耐久レース、ルマン24時間で5回総合優勝に輝いているアウディ。そのマシン「R8」の後継車となる「アウディR10」が、2005年12月13日、パリのエッフェル塔前で報道陣に公開され、3年ぶりにルマンにワークス復帰することが正式発表された。

BMW、トヨタ、日産、メルセデス・ベンツといった強豪がこぞって参戦した1999年ルマン24時間に、アウディはオープンプロト「R8R」とクローズド「R8C」を投入。ルマンデビューで見事表彰台の一角、3位に入った。翌年からプロト「R8」へと絞り、以来77レースを戦い通算61勝を記録。そして生まれたのが新型「R10」(写真)だ。

■プロトタイプとしては初のディーゼル・マシン

普段は観光客や交通量の多い、パリのエッフェル塔前の道路を完全封鎖。そこにルマン24時間で7度優勝した記録保持者、トム・クリステンセンがドライブするアウディR10がゆっくりと姿をあらわし、シャイヨー宮広場中央へと貫禄を漂わせながら登場した。


1997年にポルシェでルマンを制したトム・クリステンセン。2000年にアウディで2勝目を手に入れてからは、R8とともに最多勝ドライバー(7勝)への道を進んだ(ただし2003年は同じVWグループのベントレーで優勝)。ディーゼル・マシンR10を駆り、記録更新に挑む。

「パリの街をレーシングカーで走れるなんてとても光栄だよ。しかも、初のディーゼル・マシンでという機会は二度とないだろうからね」と、クリステンセンは感激した面持ちで語った。

新兵器となるR10最大の特徴は、プロトタイプとしては初のディーゼル・エンジンだ。5.5リッターアルミニウム製V12ターボ「TDI」は、650ps、112.2kgmという威力を発揮。ルマン7回参戦のうち全戦表彰台にあがった先代R8をも超えるハイパワーを誇る。

「完全な白紙状態から着手した。トルクが非常に太くなり、エンジン回転数も大幅に上がった。ルマン24時間は世界でもっとも難しいレースで、ハイテクノロジーや高速スピード、耐久性、チームワークなど各要素を融合させる必要がある。そこにアウディがワークス復帰するは、新技術の挑戦という新たなプロジェクトを見出し、我々は優勝できる能力を持っているからだ」と、アウディ・スポーツ代表Dr.ウルフガング・ウルリッヒは自信ありげだ。

■R8と見た目は似ているが……

クリステンセンの初インプレッションは、「見た目はR8とR10は似ているが、中身はまったく別物だ。トルクとパワーが物凄くあって、ルマンでは直線で非常に速いだろう」

また「エンジンのサウンドはとても静かだが、ドライバーとしては新しい操作方法を習得しないといけない」と、ディーゼルの静けさがもたらす“新テクニック”について言及。「例えば低速だと、シフトのタイミングを計るエンジン音が聞こえづらいから、ドライバーが持っている“特別な感覚”でギアを変える必要があるんだ」と語った。

また、ルマン24時間の新レギュレーションに沿ったシャシー開発もされ、カーボン・ファイバー製モノコックを採用するR10では、アンチ・ロールオーバーを助手席側にも設置するなどした。
さらにダウンフォースを15%軽減させるためフロント形状を変更、ノーズが尖った感じとなった。リアの両脇にあった小ウィングがセンターに移動、またホイールベースも長くなるなど、様々な点でR8と異なる。
トランスミッションも、ステアリング中央に設置された画面にギアが表示され、その周囲にあるボタンで操作される。

ドライバーについては、クリステンセンが内定しているだけで、正式発表はR10のデビュー戦になる米セブリング12時間(2006年3月18日決勝)前とのことだ。

「我々は初のディーゼル・マシンで、2006年のルマン24時間レースに初優勝する」とアウディAG社長のDr.マーティン・ヴィンターコルンは宣言。2007年にはプジョーもディーゼルでルマン参戦することを既に発表しており、乗用車のみならずレース界でも“ディーゼル戦”の時代に突入しそうだ。

(文と写真=野口友莉)



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