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「NSX」「Z」「SC」が初顔合わせ 〜開幕直前合同テストから【SUPER GT 07】
(07.03.13)
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【SUPER GT 07】「NSX」「Z」「SC」が初顔合わせ 〜開幕直前合同テストから
速さと強さを競い合う戦い、「SUPER GT」が今年も間もなく開幕戦を迎える。2007年3月18日、鈴鹿での初戦を前にした3月2、3日には鈴鹿サーキットで今季初となる公式テストが実施され、各チームで最後の煮詰めを精力的に行う姿が見られた。
マシンの大半は06モデルを踏襲したものではあるが、車輌規則変更を受けて様々なモディファイが行われている。速くなりすぎたマシンをコントロールするためだというが、はたしてその影響はいかに!?
07シーズンを戦う、「フェアレディZ」(写真上)と「レクサスSC430」。
■ダウンフォースは減っても、速さには影響なし!?
年々スピードに磨きがかかるGT500クラスでは、安全面の考慮からF1マシン同様にステップドボトムを採用。ダウンフォースを軽減し、総体的にスピードを落とす方向性を取ることになった。車体下部にスキッドブロックが装着されるため車高が上がり、速さが抑制される……というもくろみだった。
ところが。
モンスターマシンを作り上げるメーカー、チームとしては、おいそれとスピードダウンをそのまま受け入れるわけがない。規則は規則。だが、その中で出しえる速さを求めるのは当然のこと。エアロダイナミクスをモディファイし、マシンバランスを見直すことで剛性やマシンフィーリングが向上。シーズンオフに行われたメーカーテストで、早くも昨2006年のタイムを上まわる結果を出していたのだ。
安全面を優先して導入したステップドボトムだったが、現時点では、各チームの熱心な開発成果に軍配が上がっているようだ。
先の鈴鹿テストでは、最終日にNo.8 ARTA NSXの伊藤大輔が1分52秒081のトップタイムをマーク。非公式ではあるが、昨季、自身がマークしたコースレコードを0.582秒を上まわるものだった。だが当の本人は、「初日がマシントラブル続きであまり走れなかったので、2日目はちょっとセットを変更して走っただけ。まだ手探りの状態だったし、クルマもバランス的によかったというわけでもなく、たまたまコンディションがいいときにクリアラップが取れただけ」と、冷静どころかまだ不満を顔に残していた。
どうやら十分なポテンシャルを発揮する前に叩き出した最速タイムより、思う存分セッティングに時間がかけられなかったことのほうが悩みの種だったようだ。
■合同テストは、07モデルのNSXがトップ独占
全チームに2007モデルをリリースしたのは、ホンダ。
昨季、あと一歩でシリーズチャンピオンを取りこぼしたリベンジとばかり、5チームが足並みを揃え、開発を進めている。うち1台は新参チームではあるが、ドライバーは金石勝智&年弘。ともにGT復帰組ではあるが、ステディな走りを身上とするベテランの勝智と、フォーミュラレースで走りに磨きをかけてきた年弘がタグを組むとなれば、ライバルも落ち着かないはず。日本のレース界初の従兄弟コンビが台風の目にやるやもしれない。
ホンダ勢でドライバーの顔ぶれに変化があったのは、まずNo.32「EPSON NSX」。渡米しインディ・プロシリーズにステップアップした武藤英紀に代わり、ブラジル人のファビオ・カルボーンが加入。GTレースは初参戦となるが、すでにF3で全日本のレースを経験している。
また、昨季ランキング2位のNo.100「RAYBRIG NSX」もニッサンに移籍したセバスチャン・フィリップから、ドミニク・シュワガーへとスイッチ。「トヨタの前に、NSXをドライブしていたから何人かのスタッフとも顔なじみ。不安もないし、ニューマシンはセットアップを進めていけば、ますますよくなると思うから楽しみだね」と、万全の体制をアピールする。
一方のニッサン。こちらはワークス2台がNAエンジンのニューマシンを開幕戦から投入。残る3チームには第3戦をメドにNAエンジンを搭載するため、しばし06モデルでの参戦となる。
ニューフェイスは、ホンダから電撃移籍したフィリップがNo.3「YellowHat YMSモバHo! TOMIKA Z」を柳田真孝とドライブ。柳田とスイッチするようにNo.24「ADVAN KONDO Z」にはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが加入している。またNISMOでは、本山哲がリチャード・ライアンとコンビを再結成、タイトル奪回を狙うことになった。
規則変更に合わせ開発したボディワークをチェックするため、テストでは実戦での攻防を想定し、2台のマシンでタービュランスチェックを実施。ダウンフォースを急激に失ったマシンがコースアウト、クラッシュという思わぬ事態も起こったが、トラブルによるものではなかったのが幸いだった。
ディフェンディングチャンピオンを擁するトヨタ。 昨季はSC430とスープラが混在したが、今季は全6チームがSCを投入。07モデルはNo.1「白天宝山TOM'S SC430」、No.6「Forum Eng.SC430」とNo.38「ZENT CERUMO SC430」の3台のみで、残る3チームは06モデルにアップデートキットを施したマシンとなる。
とはいえ、持ち前のストレートスピードを武器にしたセットアップが進めば、ウェイトハンデの差が少ない序盤戦で大暴れすることも可能。No.6にはFNで活躍するスェーデン人のビヨン・ビルドハイムが新加入。05年王者のNo.38も含め、SC同士の戦いにも注目が集まりそうだ。
2日間の合同テストでは、NSX5台がトップを独占。速さをアピールして終了した。
だが、トヨタやニッサンはメーカーテストですでにセットアップを済ませており、合同テストでは決勝を意識した実戦レベルのテストを繰り返していたという話も聞こえている。 「敵は速さも十分備わっている。その中で僕らがどれだけ“強い”レースができるか。速いだけでなく、強さを出せるレースをしたいと思ってます」と先述の伊藤。トヨタ、ニッサン両陣営のドライバーも「開幕戦だけは戦ってみないとわからない」と口をそろえる。
ノーウェイトハンデならではの戦いは、それだけ不確定要素が多いということなのだ。
■ウェイトハンデ、見直しへ
SUPER GTでは「速さ」や「強さ」と引き換えに、マシンにウェイトハンデが与えられる。当然チームでは、マシン特性を生かした戦いをするために、どのサーキットでどういう成績を残すことが効率の良いタイトル争いへとつながるのか、常に考えている。
そこに立ちはだかるのが、レギュレーションだ。
今季は、予選結果に対する積載ウェイトと加算されるポイントで一部見直しが行われたのをはじめ、細かな点で変更が加えられた。一戦ごとの戦いはもちろん、シーズン全9戦を視野に入れながらの戦略も、それぞれチームやメーカーによって個性が出るところ。最新テクノロジー満載のレーシングカーで速さを競う一方で、タイトルを巡る戦いにはヒューマニズムがしかと存在している。
とはいえ、ご存知のとおりレースにサプライズはつきもの。想定外のことがコース上で待ち受けている。決勝でどんなドラマが待ち受けているのか。3月18日、鈴鹿でその幕が上がる。
(文=島村元子/写真=webCG)
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