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ドイツ自動車市場に、中国車の波!?
(07.03.23)
ニュース
ドイツの自動車雑誌「アウトビルト」(写真奥)と、中国車の海外向けのカタログ
■
ドイツ自動車市場に、中国車の波!?
世界を席巻する中国製品。自動車先進国のドイツでも、ちかごろは「中国車」進出の動きがあるという。
いったいどのような製品なのか? 現地からのリポート。
■中国の自動車メーカー「ブリリアンス」
11日間の開催日を終えて3月18日に閉幕したジュネーブショー。
そこには、今まであまり注目されていなかった大手自動車メーカー「ブリリアンス」の姿があった。
「ブリリアンス」は中国の自動車メーカー「華晨中国汽車(ブリリアンス・チャイナ・オートモーティブ)」の乗用車ブランド。中国国内にある工場では中国向け「BMW」の組立事業も担っており、中国の自動車メーカーの中では、高い技術レベルをもつ会社として知られる。
年間生産台数はすでに20万台を超え、今年は、ヨーロッパ圏内で最も難度が高いといわれるドイツマーケットに攻撃をしかける姿勢だ。
■アジアンカー40年の歴史
ドイツにおけるアジアからの輸入車の歴史は、1967年発売の「ホンダS600」にさかのぼる。その後1970年代に売上げを伸ばし、現時点で日本の自動車メーカーは12%のシェアを占めている(2007年2月の新車登録ドイツ連邦自動車局統計)。
当時のセールスポイントは「安い価格で豊富な装備」だった。
次に登場するのは韓国車。1991年に「現代自動車(ヒュンダイ)」の輸入が始まる。20年かけて品質と価格を上げてきた一足先の日本車に対して、セールスポイントはやはり、「安い価格で豊富な装備」。
折しも東西ドイツ統一、より安価なクルマの需要が高まり韓国車の売上げは急速に伸びた。その後の10年間でさらに技術を磨き、韓国ブランドのクルマは現在4%の安定したシェアを保っている。
■中国車が売られないワケ
一方、中国車が初めてドイツの道路を走行したのは2005年のことだ。その年のフランクフルトモーターショーではブリリアンス以外にも「ランドウインド」「ジーリ」といった中国ブランドの出品があった。
それらは遠くから一見するだけで品質の悪さがうかがえてしまうほどで、当然ながら輸入元は決まらず、いまだ販売には至っていない。
さらに中国の自動車メーカーにとって大きな悲劇となったのは、「ADAC」(=ドイツ自動車連盟。日本自動車連盟に相当)が行った、「ランドウインド」のSUV車の衝突試験だった。ドイツの庶民的な自動車雑誌『アウトビルト』はその結果を、「世界一危険なクルマ?」という見出し語にまとめたほどだ。
そのSUV車は、衝突試験が義務付けられている重量(2500kg以下)を2510kgとわずか10kgオーバーさせることで衝突試験を避けていた。マーケットに並ばなかったのは当たり前なのだ。
■成功のカギをにぎるブリリアンス
さて、2007年。どのような変化が起きているのか――。
中国の自動車メーカーはこれまでよりもヴィジュアル的に一新したモデルを見せ始めた。痛い失敗をした「ランドウインド」は、イタリアでデザインしたミニバンを「ファッション」という車名でマスコミに紹介した。
ドイツの自動車雑誌は、いろいろな試験結果を掲載しては品質問題を取り上げているが、最近の中国車に対する評価は「まあ、この値段なら……」と少しずつ変わり始めてきている。
この中国車のセールスポイントは「“ものすごく”安い価格で豊富な装備」。
しかし、今のところ「ランドウインド」の販売は未定で、このブランドが消費者の信頼を得られるかどうかは微妙だ。
このような状況の中、最初に市場に現れそうなのは、先に述べたブリリアンス。既に輸入元も決まっている。社長はフォルクスワーゲンの元幹部で、1991年に「ヒュンダイ」をドイツ市場で成功させた人物だ。
スタートは、今回のジェネーブショーで出品された「BS6」。これは「メルセデス・ベンツEクラス」級の大きなセダンで、価格ははるかに安い。評価は「それほど悪くない」というレベル。衝突試験にも辛うじてパスしたとの報告もある。この「BS6」の位置づけはドイツメーカーが得意とするセグメントにあり、難なく成功するとは考えにくい。それでも、次々とより実用的なモデルが発表され、順番に発売となる見通しだ。
中国車がドイツ市場で成功できるか否か。いま、このブリリアンスの動向が大きく注目されている。
(文と写真=廣川あゆみ)
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