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小暮卓史、3年ぶりの勝利にガッツポーズ!【FN 07】
(07.05.21)
ニュース
表彰台に上がったのは、左から2位のアンドレ・ロッテラー(DHG TOM'S)、優勝した小暮卓史(PIAA NAKAJIMA)、そして3位の松田次生(mobilecast IMPUL)。
■
【FN 07】小暮卓史、3年ぶりの勝利にガッツポーズ!
2位を大きく引き離し、ひとり旅を続けた小暮卓史。堂々たる戦いっぷりの末につかんだ勝利は、2004年以来、3年ぶりという待ちわびた勝利だった。
五月晴れに恵まれた2007年5月20日、栃木県のツインリンクもてぎで行われた全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第3戦の決勝レース。予選3位の小暮卓史が、序盤にトップを奪って好走。揺らぐことのない速さを披露し、首位をキープ。2度のピットストップ作戦を味方に、完勝を遂げた。2位にはアンドレ・ロッテラー。3位には松田次生が続いた。
■予選1回目、赤旗続出!
土曜の予選は、朝からうす曇がサーキット上空を覆い、これからの波乱を感じさせるような幕開けを迎えた。
午前10時35分、45分間にわたる予選1回目がスタート。やや冷たい風を伴い、気温も16℃どまりというコンディションの中、マシンが次々とスリックタイヤでコースへ向かう。が、それを待ってたかのように雨! アウトラップだけでピットに戻り、レインタイヤを装着して出なおす選手、滑るマシンを上手くコントロールし、スリックタイヤのまま走る選手と、それぞれ選択が分かれた。
10分もすると天候は回復、レインから再びスリックへと戻す選手が増えた。とはいえ、一度ウェットコンディションになった路面はやはり不安定な状態。結果、セッション終了までにコースアウトやスピンを喫するマシンが現れ、3度にわたる赤旗となり、天候も順位も、まさに猫の目のように忙しく変化することとなった。
3度目の赤旗中断を経て、残り3分となったラストアタック。いつもなら、全車われ先にとコースへ向かうところだが、この時点で4番手につけていたJ・P・デ・オリベイラと、7番手の本山哲は走行を見送る。
実は今回、午後の予選で“スペシャルステージ”を実施することになっており、グリッドを決定するのは、午後からのワンラップアタック=スペシャルステージがすべてだったのだ。
■FN初の全車ワンラップアタック
FNでは、これまでも計測1周のみのアタックはイレギュラー的に行うことはあった。だが、それは上位10台に限ってのこと。今回は、22台全車がアタックを実施。予選1回目のタイムが遅い順に1台ずつ計測を行い、グリッドが決まる方式が採用された。
となれば、気になるのが、そのタイミングだ。
1台ごとにコースを周回すると、後半はより路面のグリップレベルの向上を期待できる。だが、この日、サーキット近辺は、午後遅くから降水確率が高い数値を示していた。
途中、コンディションが豹変して降雨の中でアタックともなれば、せっかくのチャンスも水の泡。「天候の変化等による路面コンディションの差異は考慮しない」という規則を受け、なかには本山のように、雨を懸念して予選1回目の順位をあまり上に持って行かないようにしたケースも。
不安定な天候は、スペシャルステージでの出走順をも意識しながら走ることを選手たちに強いていたのだ。
今季初の予選方式、スペシャルステージを征し、前戦鈴鹿に続き連続ポールポジションを獲得したmobilecast IMPULの松田次生(右)と星野一義総監督。
■またも雨! ポールポジションのゆくえは……
午後2時25分からのスペシャルステージを目前に空が瞬く間に曇り、まさに先が読めない状態。予選1回目で19位、つまり4番目の出走となったマシンがコースインすると、スタンドには傘の花が開き、肉眼でもわかる雨となった。だが、その後、大きく崩れることなくコンディションも復活。
結局、気まぐれな空の神様は、どうやらごく一部の選手にだけ意地悪をしたかったようだ。
結果的に、ポールポジションを獲得したのは、トリをとった松田次生。各セクタータイムで確実に本山をリード。暫定トップに着いていた“策士”本山を0.408秒も上まわる1'34.775のタイムで、今季2度目のポールシッターとなった。
2位本山に続いたのは、小暮卓史。4位にはスタートを得意とするA・ロッテラーが控え、決勝スタートでの駆け引きが一層興味深いものになった。
■松田がホールショットを決めるも
快晴の中、午後2時30分にレッドシグナルがブラックアウト。ポールポジションの松田、もうひとりのフロントロー、本山がともに好スタートを決め、1コーナーへと向かった。
前回の鈴鹿ではポールを獲得しながらも、本山に先行を許した松田。ストップ&ゴーのレイアウトを持つもてぎでその再現は避けたいとばかり、本山をけん制する。結果、ホールショットは自身が奪うも、今回は新たな敵が後方に控えていた。
その敵こそが小暮。オープニングラップで本山をパスし、翌周には同じポイントで松田を逆転する快進撃を見せた。じつは、小暮のチームではレース中に2度ピットインする作戦を採用。そのぶん、ライバルたちより搭載するガソリンの量を抑えてマシンを軽量化し、ハイペースでの周回が可能だったのだ。
間髪置かず攻め込んだ小暮は序盤にしてトップを奪取。瞬く間に後続とのマージンを築き上げた。
ポールポジションからスタートした松田次生(mobilecast IMPUL)は、予選10位から駆け上がってきたチームメイト、ブノワ・トレルイエ(mobilecast IMPUL)と激しい3位争いを展開。ディフェンディングチャンピオンのトレルイエを抑え切り、表彰台の一角を手にした。
スタート直後から圧倒的な速さを見せ、2ピット作戦を成功させて今季初優勝を飾った小暮卓史(PIAA NAKAJIMA)。
■ピット義務化でバトルは激化
「最低1度のピットイン」が義務付けられた今回、そのルーティンワークでの微々たるタイム差が、その後コース上での戦いに反映され、結果的に激しい攻防戦を生み出した。
なかでも圧巻だったのが、往年の名ドライバーが総監督を務めるIMPULチーム内のバトル。常日頃からチームオーダーは存在しないという星野一義総監督の公言どおり、テール・トゥ・ノーズはもちろん、時にはサイド・バイ・サイドを繰り返し、一触即発並みのハードな闘い。3、4位争いの松田とB・トレルイエ、そして後半からペースが伸び悩んだ本山はM・クルムと6、7位争いを披露した。
2台ずつ同じカラーリングが施されたマシン同士が激しくやり合うシーンが幾度も見られ、そのたびにスタンドを沸かせた。
後続車が目の前の敵と好戦を続けたことで、トップの小暮は安泰。2度のピットストップによって失う時間を上回るマージンを作れなければ成立しない作戦を、見事完遂。最後の作業を終えてコースに復帰するときには、後続との差も申し分ない状態。理想どおりのレース展開で勝利を手中に収めた。
ウィナー・小暮は、自身2勝目。2006年シーズンは最多ポールポジション獲得を果たしながらも未勝利に終わっている。ようやくその借りを返すことに成功し、ゴール後は、湧き上がる喜びを何度もガッツポーズで表した。
2位のロッテラーも今季初表彰台。手応えある結果に笑みがこぼれた2人に対し、またもライバル達の後塵を拝した3位の松田。険しい表情を最後まで崩すことはなかった。
■次回岡山は、FN初開催
次回は、シリーズ前半の締めくくり。岡山国際サーキットが舞台となる。かつて「TIサーキット英田」として1994、1995年にはF1パシフィックGPが開催された場所でもあるが、国内最高峰のフォーミュラレース開催は、今回は初の試みとなる。
今回、目の前のライバル本山を意識するあまり、勝利を逃した松田ではあるが、シリーズランキングではトップを堅持している。当然、今季初優勝を狙ってくることだろう。既存データのないサーキットゆえ、どのドライバーにもチャンスはある。
リベンジ戦となるか、新たなウィナー誕生の一戦となるか。第4戦は6月10日、決勝を迎える。
(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)
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