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「ダイムラー・“ベンツ”」、クライスラー売却で復活か!?
(07.05.28)
ニュース
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「ダイムラー・“ベンツ”」、クライスラー売却で復活か!?
クライスラー部門の売却を発表した「ダイムラー・クライスラー」。今後変更される社名をめぐって、ドイツ国内では議論が湧き上がっているという。
ゴットリープ・ダイムラー(1834-1900)
カール・ベンツ(1844-1929)
■ダイムラーとベンツ
クライスラー部門売却後、「ダイムラー・クライスラーAG」は「ダイムラーAG」と社名変更すると報道された。
1998年以前、つまり、クライスラー社と合併する前の社名は「ダイムラー・ベンツ」だった。この名ができたのは、1926年。シュトゥットガルト市の「ダイムラー・モーター会社」とマンハイム市の「ベンツ・ライン川ガスエンジン工場」が合併した年だ。
ご存知の通り、「ダイムラー」は自動車のパイオニア、ゴットリープ・ダイムラー氏のこと。ダイムラー氏はシュトゥットガルト市で高回転のガソリンエンジンを開発し、1885年に自転車、翌1886年の10月には4車輪の馬車に搭載したことで、オートバイと4輪自動車の発明者とされている。
ほぼ同時に「ベンツ」のカール・ベンツ氏がマンハイム市で3輪自動車を開発、1886年1月に特許を得た。 ちなみに、ベンツ氏の妻、ベルタ・ベンツ夫人も“パイオニア”の1人で、夫に内緒で1888年8月に世界初の長距離運転を試みた。学校の休みに入った2人の息子たちと一緒に106キロ離れた町、プフォルツハイムまで自動車を走らせ、その実用性を証明したのだ。このことが、当時まだまだ疑問視されていた自動車の成功へつながった。
その後、ダイムラー氏とベンツ氏はそれぞれクルマの量産に乗り出し、ライバルとなった。 両社の合併は、2人ともこの世を去ってからのこと。お互い、一度も会ったことがないといわれる。
■知られざる地元意識
2人が活躍したシュトゥットガルト市とマンハイム市は現在、ともに南西ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州に属している。しかし、当時ドイツ帝国には強い中央政府が存在せず、多くの自治体によって構成されていた。
シュトゥットガルト市がヴュルテンベルク王国の首都だったのに対し、マンハイム市は、ライバルのバーデン大公爵国に属していた。こういった地方同士のライバル関係は、21世紀の今もなお残っている。
バーデン地方の人々にすれば、クライスラー部門の売却による社名変更は、1998年に社名から消えたバーデン地方出身のベンツ氏の名前を復活させるチャンスなのだ。
■ベンツ名復活への狼煙
「ダイムラーAG」への社名変更について、幹部会は、乗用車ブランド名の「メルセデス・ベンツ」と社名の「ダイムラー」を分けるだけとしている。しかし、それは「ベンツ」促進派にとって理解しがたい考えだ。 会社の本拠地がシュトゥットガルト市なだけに、バーデン地方のことがなおざりにされているのではないかと思ってしまうのも無理はない。
「ダイムラー氏ではなく、ベンツ氏が自動車の発明者だ」とか、「彼の功績を社名に反映して評価すべきだ」とか、バーデン地方からの抗議が始まった。全国誌『FAZ』によれば、現在その動きが全国に広まりつつある。
2007年5月15日の本会議でマンハイム市議会は「社名に『ベンツ』の復活を要求する決議」を決めた。ダイムラー・クライスラー社は、それに対しては正式に回答したいとしている。
最終結果の報告は、2007年秋の臨時株主総会が予定されている。
(文=廣川あゆみ/写真=ダイムラー・クライスラー)
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