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ルマン常勝のアウディに、地元プジョーが挑む!【ルマン 07】
(07.06.07)
ニュース
ルマンを戦うプジョーのマシン「908」
(写真=プジョー)
■
【ルマン 07】事前情報:ルマン常勝のアウディに、地元プジョーが挑む!
伝統のルマン24時間耐久レースが、今年もフランスはルマンのサルト・サーキットで開催される。すでにテストデーは終了、決勝を2007年6月16、17日にひかえ、にわかに慌しくなってきたところで、今年の見所をお伝えする。
■伝統の一戦、いよいよ開幕
梅雨入りが近いこの季節、日本のモータースポーツイベントは小休止状態となる。しかし、海外に目を向けると、F1を筆頭にIRL(インディカー・シリーズ)、DTM(ドイツツーリングカー選手権)そしてユーロF3に至るまで、さまざまなカテゴリーのレースが目白押しだ。
そして、年に一度の大イベント―――
2007年6月16日にスタートするルマン24時間レースは、言わずもがな、世界三大レースのひとつ(ほかは「F1モナコGP」と「IRLインディアナポリス500マイル」)。
今年で75回目を迎える伝統あるイベントだ。
2006年は、アウディがディーゼルエンジン搭載の「R10」をデビューさせ、過酷な戦いの末に大舞台での勝利をはたした。今年はどんなルマンになるのだろうか。いくつかの事前情報をお届けしよう。
6月3日、ルマンのテストデーにならんだ2台の「プジョー908」。
ドライバーは(写真左から)ヘネ、ヴィルヌーヴ、ミナシアン、ラミー、サラザン、ボーデ。
(写真=プジョー)
同じく3日のテスト走行に臨む「アウディ R10」。
(写真=アウディ)
■アウディの牙城を崩せるか!?
昨年の覇者アウディに対し、真っ向勝負に出るのが、地元フランスのプジョー。
ルマン参戦プロジェクトがキックオフされた裏では、WRC(世界ラリー選手権)からの撤退という英断をも下している。それだけルマンにかける思いが強いと見て取れる。昨年のルマンで2007年参戦表明のプレスカンファレンスを実施。1年前に大きな花火を打ち上げてからは、まさに猪突猛進状態だ。
6月の本戦を見据え、プジョーでは、まず「ルマン・シリーズ」(LMES)なるレースに参戦。イタリア・モンツァで行われた初戦でいきなり優勝を飾るというパフォーマンスを披露。その3週間後の第2戦、スペイン・バレンシアでも勝利し、破竹の勢いでルマンに乗り込んでくる。
対するアウディはアメリカン・ルマン・シリーズ(ALMS)に参戦中。開幕戦のセブリング12時間レースで8連覇を達成する上々のスタートを切り、以後第5戦終了時点で、LMP1クラスでは負け知らずの快進撃だ。
それぞれの舞台で勝利する2チームが、ルマンで一堂に会すのだから、耐久レースファンならずとも、その動向からは目が離せない。
ディーゼルエンジン同士のバトルは、今やコースを超えて自動車メーカー同士の果し合いとなりそうだ。
■有名レーサーも“ルーキー扱い”から
毎年、参戦ドライバーの顔ぶれがユニークなのもルマンの特徴。現役のスポーツカードライバーはもちろんのこと、往年のトップドライバーも名を連ねる。
しかしながら、どんなドライバーとてルマン初参戦の場合、みな“ルーキー扱い”。
先日3日に行われたテストデーには、ルーキードライバーが参加し、最低でも10周の走行を強いられた。たかが10周、されど10周。パーマネントコースと一般公道を組み合わせて作られるルマンの特設コースは、1周13km強にもなる。
しかも、最高速は300km/hをゆうに超える。どんな一流ドライバーでも、“最初の第一歩”たるテスト走行が欠かせないというわけだ。
今年の参加リストに目をやると、あのジャック・ヴィルヌーブの名前が。言わずと知れた伝説のF1ドライバー、ジル・ヴィルヌーブの息子だ。そのジャックはアウディへの刺客のひとりとして(?)、 プジョーから参戦する。
全日本F3に参戦、のちにアメリカ・CARTシリーズやF1で王者となったかつてのトップドライバーは、36歳での初ルマン。ステディな走りが期待される。
■日本でおなじみの選手も
一方、ルーキーではないが、日本でもなじみのある選手を紹介したい。まずは現在“日本一速いフランス人ドライバー”と言われるブノワ・トレルイエ。2002年、04年に次ぐ3度目のルマンだが、母国のレース、しかもフレンチ・チームの代表格である「ペスカローロ」からの参戦。シーズン当初は「気心の知れた日本のチームスタッフとの仕事のほうがラクだよ」と冗談まじりでコメントしていたが、昨年のフォーミュラ・ニッポン王者としてチームへの貢献ぶりに期待したい。
そして、“Mr.ルマン”として知られるトム・クリステンセン。こちらはアウディの優勝請負人のひとりである。10回の参戦で7勝という高い勝率を誇る彼だが、レギュラー参戦するDTMの開幕戦で大クラッシュ。幸い軽傷で済んだが、現在もDTM参戦を見合わせているのが心配。おそらくは、ルマン出場へ焦点を絞り込み、最多勝記録更新を狙っているのだろう。
■決勝は、6月16日午後3時スタート!
ルマン24時間レースは、夏至直前の週末に開催される慣わしがある。これは、北半球において、日照時間が一番長い週末にあたるため。レースに関わるすべての人たちの安全を考えてのことだ。これまで、サッカーのワールド・カップなど国内外のビッグ・イベントなどとのバッティングでスタート時間を調整することもあったが、午後4時スタートが定例だった。
だが、昨年に引き続いてスタート時間が変更され、今年は午後3時からのスタート。今後は午後3時スタートが定着する方針だ。理由は、フランスはもとより、近隣諸国からの観客数が増えているため、10万人を超える観客がスムーズに帰路へとつけるよう配慮したもの、と考えられる。
いずれにせよ、この時期のヨーロッパは夜10時を過ぎてもまだ明るく、長時間のレースを心ゆくまで堪能するには絶好の季節といえる。皆、思い思いのスタイルで観戦に訪れる様子は、F1GPなどとは違ったよさがある。 というわけで、レースそのものに限らず、ドライバーから観客までそれぞれが“ここならではの表情”を見せてくれる、ルマン24時間耐久レース。
次週決勝ウィークは、現地からレポートをお届けする。どうぞお楽しみに!
(文=島村元子/写真=アウディ/プジョー)
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