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ディーゼルのアウディR10が、2年連続優勝!【ルマン 07】
(07.06.18)
ニュース
雨が降りしきる中、No.1アウディR10がトップでゴール。
(写真=アウディ)
■
【ルマン 07】ディーゼルのアウディR10が、2年連続優勝!
雨やアクシデント、忙しく変貌するコンディションに見舞われた第75回のルマン24時間レース。2007年6月17日午後3時のチェッカーが振られる“そのとき”を目前に、レースは4回目のセーフティカーランとなった。
チームのピット前を通過するNo.7のプジョー。ブルデーがマシンのドアを開けてファンに応える。
ゴール後、優勝したアウディと2位のプジョー、それぞれのドライバーがお互いを称え合う。
■残り50分でセーフティカー
土砂降りの雨を受け、午後2時11分、セーフティカーがコースイン。
すると、間髪入れず、No.8プジョーをドライブするサラザンがピットに戻ってくるではないか! 燃料補給だけと思いきや、そのままマシンはピット内へ。スタッフがおもむろにリアのエンジンカバーを外して作業を始めた。
トップを走るNo.1アウディR10のウェルナーは大雨の中でマシンドライブし続ける。暫定2位のNo.8プジョー908はピットの中。対照的な2台の動きに変化が見えたのは、No.1アウディが給油にピットインしたとき。またも何かの前兆かと思ったが、これはゴールまでの燃料を給油しただけ。すぐさまセーフティカーが引導するコースへと戻っていった。
この時点でチェッカーまで残り25分。
No.8プジョーはガレージから出てきたものの、まだピット上で待機している。すでに9周もの差がついたNo.1アウディを逆転するのは難しく、後塵を拝する可能性が高い。だが、3番手につけるNo.16ペスカローロはコース上で周回を続けており、その差は3周。このままペースカーが周回し、なおかつNo.8プジョーがピットで動かないのなら、ひょっとしてペスカローロが逆転するのではないか……。残り時間と周回数を計算しながら気になったのだが、それはまったくの骨折り損だった。
午後2時38分、No.8プジョーがピットを離れ、走行車輌にジョイント。そして49分にはリスタートのグリーンフラッグが振られた。
実のところ、長い歴史を持つルマンでは、ペースカーが介入したままでフィニッシュしたことがない。よって、今回も無事に(?)レースが再開された。コースに戻ったことで、No.8プジョーは逆転を許すことなく無事に2位を獲得。そして、午後3時過ぎにチェッカーフラッグが出され、波乱万丈のイベントが幕を下ろした。
ポディウムの頂上に2年連続で立った(左から)ピッロ、ビエラ、アウディモータースポーツ代表のウルリッヒ氏、そしてウェルナー。
(写真=アウディ)
■ディーゼル対決は、アウディに軍配
ビエラ、ピッロ、ウェルナーの3人を擁したNo.8アウディは、2006年から2連勝を達成した。
「しかるべきときにしかるべきことをするのが、成功のカギ。あのコンディションの中で、スタッフは適切なタイヤをいつも選んでくれたよ」と満足気なビエラ。
また、ピッロは「今年のルマンはとにかく大変だった。残る2台のアウディは単純にツイてなかったということです」「2台がリタイヤしたあとは、とんでもないプレッシャーでした。(後ろにいたプジョーともしっかり戦わないといけなかったし)終盤の9時間くらいが一番キツかったかな」。
そしてウェルナー。「(今日は最後までプレッシャーを感じていたので)気分よくなるのは明日からでしょう。最後、雨の中でのレースはまるでボートレースのようでした」と笑いを誘った。
(写真左から)ラミー、サラザン、ブルデー。記者会見にのぞむ、No.8プジョーの3人。
ポールポジションを獲得しながら、序盤にペースが築けず、苦戦したNo.8プジョー。
しかしながら、粘りの走行で2位を獲得したことに対し、チームドライバーのひとりサラザンは、「ただただ、すばらしい結果だった。メカニックがトラブルを早急に直してくれたし。正直、2位になれるなんて思ってもみなかった。うれしいよ」。自己最高位の結果を手放しでよろこんだ。
No.33バラツィ・イプシロン ザイテック07S/2をドライブした黒澤治樹選手は、MP2クラスで2位入賞を果たし、日本人で唯一の完走選手となった。
修復作業に時間を要し、優勝を狙う予定が24時間完走へとスイッチしたことを残念がりながらも、「ドライバーとしての飛躍を目指し、ルマンへの挑戦を続けたい」と語った。
また、日本のレースで活躍するフランス人、B・トレルイエは、度重なるトラブルに、彼本来の実力を発揮するチャンスがなかなか訪れなかった。結果は、13位スタートの13位チェッカー。
「エンジンにトラブルを抱えていたので、最後まで走りきれるかどうか、わからなかった。このレースで大事なのは完走することだから、それが叶ってうれしいよ」と明るく笑う。
生まれ故郷がルマンに近いだけに、このレースに対する思い入れも強い。
「自分の生まれた国で国旗を振ってもらえるのはいいよ。そして、日本の取材陣とここで会えることも(笑)。故郷に近いレースだから、また戻ってきて家族やみんなに楽しんでもらいたい」。
ディーゼル同士の戦いに多くの注目が集まった今年のルマン。気になる燃費は、フタを開けてみればほぼ同等、戦略による多少の加減があった程度だった。
それ以上に不確定要素となったのは、ひょっとするとレース中の天気だったかもしれない。
(文と写真=島村元子/Motoko Shimamura)
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