■“乗用”運搬車「デリバリーバン」の台頭
ところが、1990年代に入りターボディーゼルエンジンの性能が向上すると、従来のトラックにかわって、スピードが要求される運搬車にはデリバリーバンが使われるようになった。デリバリーバンを乗用車として登録した場合、スピード制限が設けられないからだ。
代表的なのは、1995年にデビューしたメルセデス・ベンツの「スプリンター」(日本名「TIN」)。ドイツでデリバリーバンの代名詞になったほど普及した。
その他に、フィアットの「ドゥカト」、オペル「ヴィヴァノ」、ルノー「マスター」、同「トラフィク」、イヴェコ(フィアット系の商用車メーカー)の「デイリー」などがある。フォルクスワーゲンの「クラフター」は「スプリンター」の姉妹車だ。
スケジュール厳守の宅配業者にとってはスピードが命。うしろからものすごいスピードで近づいて来ては、あっという間に追い越していく。
デリバリーバンが使用しているタイヤは、許容速度が170km/hまでのものが多く、車体に160km/hでリミットがかかる場合もあるが、それさえなければ、180km/hは軽く出る。
アウトバーンを走行するドライバーに恐怖感を与えるのが、このデリバリーバンなのだ。