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ハイブリッドの「スープラ」が、十勝24時間耐久で総合優勝!
(07.07.17)
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「No.039 DENSO SARD スープラ HV-R」と、チームの面々。ドライバーは(写真左から)飯田章、平中克幸、A・クート、片岡龍也。現役GTドライバーを揃え、磐石の体制でレースに挑んだ。
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ハイブリッドの「スープラ」が、十勝24時間耐久で総合優勝!
2007年7月15日、北海道の十勝スピードウェイにて「十勝24時間レース」行われ、16日午後3時のチェッカーフラッグを目指し、36台がスタートを切った。
国内唯一の24時間耐久レースとして知られるこのイベントも今年で14回目。ハイブリッドカーやバイオディーゼル車、バイオエタノール車など、通常のレースイベントは異なる「ECOプロジェクト」を打ち出した車両がお目見えした。
■トヨタはハイブリッド「スープラ」で参戦
日本のメーカーからは、トヨタがハイブリッドカーで参戦。昨年は市販車ベースのハイブリッドカー「レクサスGS450h」で初参戦して話題を呼んだが、今年は昨年までスーパーGTに参戦していたレーシングカーをベースに、開発を進めた「スープラHV-R」を投入した。
「十勝24時間レース」は、大きく、スーパーGTシリーズなどの車両規定に従う「GTクラス」、スーパー耐久シリーズ2007年の規定に従う「STグループ」、国際ツーリングカーGroupN/Aやハイブリッド&バイオ燃料車が走る「十勝24h-Special(TP)グループ」に分かれる。
「スープラHV-R」は、「GTクラス」唯一のエントリー。スーパーGTレースに参戦中の現役トップドライバーを揃え、初参戦&初優勝を目指した。
スーパーGTレースで活躍した車両「スープラGT」にハイブリッドシステムを搭載したレース専用車ゆえ、外観は空力特性を活かしたエアロパーツ、大型のリアウィングなどスパルタンなレーシングカーそのもの。
前輪にはインホイールモーターを配置。ブレーキ時に発生するエネルギーを回収、発電する「回生システム」を搭載した。また、急速な大量充電の効率を向上させるため、キャパシタ(蓄電装置)を専用設計した。
「モータースポーツにおける環境技術の応用を意識した。量産車に対しての先行開発およびハイブリッドの先行開発も加わり、参戦準備を進めた」というのは、トヨタ自動車の高橋敬三モータースポーツ部長。結果、「走る実験室」として白羽の矢が立ったのがこの十勝24時間レースだったというわけだ。
メンテナンスを行うのは、かつてルマン24時間レースへの参戦キャリアを持ち、現在はスーパーGTに参戦中のチームSARD(サード)。今回の監督を務めた大橋孝至監督は「万全の体制でレースに臨めます」とにこやかに話し、「結果は、見ていただければ」と自信を見せた。
3月にシェイクダウンを終えた「DENSO SARD スープラ HV-R」は、7200kmの実走テストを終え、十二分ともいえるメニューを消化、十勝にその姿を現した。
ねらうはズバリ優勝。4人のドライバーのうち、昨年に引き続いての参戦となった平中克幸は、「(スーパーGTの)GT500車両と何ら変わらずドライブできます」とそのフィーリングを語る。ただ「24時間完走で優勝」が至上命題であるため、全開ではなく、やや控えめなペースでのレースを心がける必要があるのだとか。いずれにせよ、勝利に向けての準備に余念がない様子だった。
「No.96 ジェネシス・十勝エタノールDC」は、“Made in Tokachi”の燃料、チーム、ドライバーで参戦。 E3ハイオクガソリンはノーマル車両で使えるレベルでパワー不足は否めないが、今回の目的は「あくまでも完走」とのこと。
■十勝ならではのエコマシンも
一方、ローカル色豊かな参戦となったのが、「ジェネシス・十勝エタノールDC」のホンダ・インテグラ。バイオマス資源を豊富に生産する十勝ならではのプロジェクトとして、「十勝ECOプロジェクト バイオエタノール(E3)普及委員会」を結成。燃料として、地元十勝の小麦とビートから精製されたバイオエタノールを使用している。
今回、3%のバイオエタノールをガソリンに混入してレースに挑むことになった。「レースで完走することが一番大事なので、そのためにも限りなくノーマルに近い状態でクルマを準備しました」(鹿内邦宣選手)。
一般使用が認められている3%(E3)という混入率ながら、レース用ハイオクガソリンの刺激臭が抑えられるというからオドロキだ。
燃料だけでなく、チームとドライバーも地元・十勝で揃えたプロジェクトが、次世代の燃料開発を加速させることとなった。このほか、今回はバイオディーゼル車も登場。こちらは使用済みのてんぷら油を原料とした純度100%の燃料を使用。やはり更別を拠点とする企業で精製したものを使用している。
計616周を走破し、すっかり汚れてしまったNo.039DENSO SARD スープラ HV-R。
日本のモータースポーツ界に新たな歴史を刻み込んだ車両の後姿は、長くタフな戦いを感じさせる。
ECOクラス1−2位の表彰台。 1位のバイオエタノール車と2位のバイオディーゼル車が 表彰台ではともに健闘を称えあった。
■ハイブリッドカーが総合優勝
さて、肝心のレースは、7月14日日曜日の午後3時にスタート。時間だけでなく、不定期に降り続いた霧雨、さらに季節外れの寒さとの戦いにもなった。
その中で、スープラHV-Rは有言実行の戦略をもって着実に周回。終始トラブルフリーのレース展開で独走態勢を築き上げ、見事完勝を果たした。
が、チームドライバーのひとり、A・クートは「決してラクな展開ではなかった」「つねにクルマを慎重にコントロールしながら走らなければならなかった」とコメント。「走っても走っても、なかなかゴールが見えてこないしね(笑)」と付け加えた。
市販車ベースのハイブリッドカーで参戦した昨年は、マイナートラブルが重なり、勝利とかけ離れた戦いを強いられただけに、今回は納得のいくリベンジを果たしたといえるだろう。
また、ECOプロジェクト組は、ラップペースは控え目ながら、燃費の良さを味方に、1スティントの周回数を大幅に増やした地元のジェネシス・十勝エタノールDCがクラス優勝(総合23位)。バイオディーゼル車がこれに続き、それぞれ異なるコンセプトのもと挑んだ十勝24時間レースは幕を閉じた。
なお、この他「スーパー耐久シリーズ2007」の第3戦として争われた「STグループ」は、ST1が「ENDLESS ADVAN Z」(総合2位)、ST2は「オーリンズランサーEVO MR」(5位)、またST3では「FINA GSX ADVAN M3」(6位)、そしてST4は「FD CIVIC Type R」(12位)のそれぞれが勝利を手にした。
(文と写真=島村元子)
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