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第10戦 嵐を味方にアロンソV、ハミルトン初無得点【F1 07】
(07.07.23)
ニュース
鬼のいぬ間に……優勝。ポイントリーダーにしてルーキー、ルイス・ハミルトンが無得点に終わった今回、大先輩チャンピオンにしてチームメイトのフェルナンド・アロンソが優勝を飾った。両者の得点差は12点から2点に接近。タイトル争いは、事実上振り出しに戻った。(写真=Mercedes Benz)
■
【F1 07】第10戦ヨーロッパGP、嵐を味方にアロンソ優勝、ハミルトン初ノーポイントで2点差に
F1世界選手権第10戦ヨーロッパGP決勝が、2007年7月22日、ドイツのニュルブルクリンク・サーキット(5.148km)を60周して行われた。
スタート直後にバケツをひっくり返したような大雨。多くのマシンがコースアウトし赤旗中断。レース再開後瞬く間にドライになるも、終盤に再び雨が……。
気まぐれな天候がもたらした結末は、マクラーレンのフェルナンド・アロンソの優勝。アロンソは第5戦モナコGP以来となる今シーズン3勝目を飾った。
スタートシーン。ポールシッターのキミ・ライコネンがトップ、フェリッペ・マッサが2位で1コーナーへ。10番グリッドのハミルトンは、一気に4位までジャンプアップするも、中段グループの混乱に巻き込まれ後退を余儀なくされた。(写真=Ferrari)
予選での大クラッシュで10番グリッドからスタートした新人ハミルトンは、雨のコースオフ、再スタート後のドライタイヤギャンブルなどで9位フィニッシュ。デビュー以来続いた連続表彰台記録は「9」でストップした。
そして、チャンピオンシップ首位のハミルトンと2位アロンソのポイント差は一気に10点縮まり、2点差となった。
2位でゴールしたのは、残り5周までトップを快走したフェラーリのフェリッペ・マッサ。3位にはレッドブル・ルノーのマーク・ウェバーが入り、自身2005年モナコGP以来のポディウムにのぼった。
ウェバーにプレッシャーをかけ続けたウィリアムズ・トヨタのアレキサンダー・ブルツは4位。レッドブルのデイヴィッド・クルタードが5位、オープニングラップで互いに接触してしまったBMWザウバーの2台は、ニック・ハイドフェルド6位、ロバート・クビサ7位と入賞で終えることができた。
最後の1点は、8位でフィニッシュしたルノーのヘイキ・コバライネンにわたった。
フェラーリのキミ・ライコネンは3位走行中にメカニカルトラブルでリタイアした。
トヨタの2台は、ヤルノ・トゥルーリが最後尾の13位完走、地元の声援を受けたラルフ・シューマッハーは他車に押し出されるかっこうでコースオフし戦列を去った。
ホンダ勢は、ルーベンス・バリケロが11位でゴール、雨に足をすくわれたジェンソン・バトンはリタイアした。
スーパーアグリ・ホンダは、アンソニー・デイヴィッドソン12位、佐藤琢磨は油圧系トラブルで20周でマシンを降りた。
ほんの数分で、ごらんのような大洪水。多くのマシンがコースアウトし、レースは赤旗中断に。
2位入賞のマッサ。勝てるレースで、アロンソにしてやられた。残り5周で繰り広げられた接触-ポジションチェンジに関して、ウィナーのアロンソが「わざとやった」と言ったことにご立腹。ポディウム、優勝記者会見でも仏頂面を見せていた。(写真=Ferrari)
佐藤琢磨は、予選Q2進出で16番グリッドを確保。スタート後の混乱に乗じて10位までポジションを上げたが、レース半ば前に、油圧系にトラブルが発生しリタイアした。チームメイトのアンソニー・デイヴィッドソンは過酷なレースを12位で終えた。(写真=Honda)
■山の神のいたずら
まるでスタートを待っていたかのようなタイミングで空が泣き出した。
フォーメーションラップ中の軽い雨は、シグナルが変わるといよいよ粒の大きさと勢いを増して、あっという間にコースはフルウェットと化した。
オープニングラップ後のピットは列をなすマシンで大混乱。各車タイヤをウェットに変えコースへと戻っていくなか、ポールポジションからトップを守っていたライコネンは、ピットレーンを曲がりきれず、スケートリンクのようなトラックをドライタイヤでもう1周しなければならなくなった。
タイトな1コーナーは川となり、コースアウトを誘発。バトン、ハミルトン、トロロッソの2台とエイドリアン・スーティルが次々とグラベルへと滑っていった。
前日の予選中に、ホイールトラブルで大クラッシュを演じたハミルトン。幸い怪我もなく出走を許されたポイントリーダーだったが、不運は彼につきまとう。
それでも、グラベル上でエンジンを切らなかったことで、クレーンでコースへと戻され、再び洪水のなかに飛び込んでいった。22歳の大物ルーキー、転んでもただでは起きない。
レースは程なくして赤旗中断となり、約20分後にセーフティカー先導で再スタートが切られるのだが、このときトップを走ったのが、これがデビュー戦となるマーカス・ビンケルホック。元GPドライバーを父に持つ地元の若手が、一瞬でもラップリーダーとなったのだから(しかもテールエンダーのスパイカーで)、レースは何が起こるかわからない。
レース再開後は日も照り始め瞬く間にコースはドライに。しかし、真っ先にドライタイヤに交換、ギャンブルに出たハミルトンは派手なコースアウトをきっし、作戦が裏目に出てしまった。
コースはドライのまま、トップにマッサ、2位アロンソ、3位ライコネンというトップ3で、いささか単調な周回が続けられた。
動きがあったのは34周目。ライコネンのマシンがストップ、ハイドロリック(油圧)システムの異常によるものだった。
ノーポイントに終わったフィンランド人ドライバーは、ハミルトン、アロンソ、マッサによるタイトル争いからまた一歩遅れてしまった。
ドイツ西側の山岳コース、ニュルに不順な天候はつきもの。序盤に混乱を招いた雨が、終盤になって再び落ち始めた。
まさに水を得た魚となったのは2位アロンソ。トップのマッサは首位の座を守ろうと必死、一方でアロンソは攻撃的なドライビングで各所で追い抜きを試みた。
残り5周、アロンソとマッサは第5コーナーで接触。しかし両者大事には至らず、アロンソは“P1”を奪い、モナコ以来の勝利を手に入れた。
2007年は残り7戦。前半戦がスーパールーキー、ハミルトンを中心に動いたならば、後半戦の行方は、いよいよわからなくなった。
何とか完走をとげたハミルトンだったが、表彰台はおろかポイントも取れず、70点のままだ。
対するアロンソは一気に2点差となり68点。マッサ59点、ライコネン52点という2強4人の構図となった。
ニュルにすむ山の神のいたずらは、チャンピオン争いの演出に、一役買ったということだろう。
次戦はハンガリーGP。決勝は8月5日だ。
(文=bg)
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