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トップニュース(リスト)「ATV」って、迷惑!? (07.08.12)
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公道を走れる「ATV」に、ドイツ市民は迷惑顔
ドイツの道端にATVがたたずむ。写真は、シェアNo.1メーカー「キムコ」のKXR250。
(写真=廣川あゆみ)
 「ATV」って、迷惑!?
ドイツの街中に広まりつつある、小型オフロード車「ATV」。合法的な乗り物ながら、市民の反応は穏やかでないという。現地からのリポート。
公道を走りまわる「ATV」に、ドイツ市民は迷惑顔
上から見た「ホンダTRX450R」。まさに、4輪のバイクといった車体構成だ。
■本場アメリカとは正反対

ここ最近、ドイツの街中でATV(All Terrain Vehicle=全地形対応車)の姿をよく目にするようになった。

ATVは本来、主に北米市場向けの小型オフロード車輌。本場アメリカでは公道での走行は認められていないが、逆にドイツでは、自然保護法により公道以外での使用が禁止されている。灯火類やホーンなどを装備すれば自動車登録ができる。

技術面から見れば、ATVはバイクに近い。エンジンは50ccから800cc程度までで、気筒数はシングルかツイン。トランスミッションはスクーターと同様、無段変速のベルト式CVTが多い。操作系はバイクとほぼ同じだが、ステアリングが重いため、アクセルはグリップをひねる方式ではなく、親指でレバーを押す仕組みになっている。

■イレギュラーな「乗用車」

これらATV市場をリードしているのは、スクーターが本業の台湾メーカー「KYMCO」(光陽機車)。2位は同じく台湾の会社で、ATVがメインの「スタンダード・モーター」(正鶴工業)だ。こちらは、1993年創業の若い企業である。3位はヤマハで、次がスズキ。世界一の二輪車メーカーであるホンダは、ライバルたちにおされ気味だ。
販売台数はまだまだ少ないが、中国にも数多くのATVメーカーが存在する。

ATVは、原付扱いの50ccと、それを上まわる自動車扱いのものに大きく分かれる。自動車扱いとはいえ、実際に普及しているATVは、「総重量400kg以下、出力15kW(約20ps)以下」が条件の「軽い四輪乗用車」という特殊な区分に属される。これにより、普通自動車とは異なり、全ての規制が緩く、何の安全基準も満たしていない車輌を登録できることになってしまう。

この「軽い四輪乗用車」の免許は16歳から取得可能だが、16歳でわざわざ高い自動車学校の授業料を払ってまで、この特殊免許を取る人はいない。ATVのドライバーは基本的に普通免許の所有者だ。
公道を走りまわる「ATV」に、ドイツ市民は迷惑顔
ATVは遠心力とバランスを取ってコーナリングするため、速度が上がるにつれて、ライダーの上半身も大きく移動するようになる。


■ドイツの道では困り者

このATVに、ドイツ市民は最近ちょっと迷惑顔。
乗用車のドライバーにとって、高さのないATVは見落としやすく、多くのひとが事故の可能性を指摘する。ATVのドライバーが横転しそうな姿勢でカーブを曲がっている場面もよく見かけられ、危険行為というイメージは拭いきれない。
「このような乗物で街なかを走るメリットは何なのか?」「ATVが公道を走るのは迷惑だ!」という声が少なからず聞かれる。

エアバッグをはじめ、安全装備が日に日に重要視される時代である。ATVは法律の枠をうまく守っているかもしれないが、安全性に欠けると同時に、バイクほどの軽快さや利便性がないのも事実。レジャーやスポーツ的な用途以外には適していない乗り物に見える。

ドイツ連邦自動車局によれば、ATVの2006年新車登録台数は1万7763台(二輪車全般では16万5875台)。 2006年までの総登録台数で見れば、ATVは6万2596台と前年から42%も増加した。ちなみに、二輪車は383万4743台で前年比2%増に過ぎない。

ここ数年のATVの急増により、2005年12月からドイツではヘルメットの着用が義務付けられた。今後、ATVが関わる交通事故が増えれば、ATV対策の法律ができるのかもしれない。

(文=廣川あゆみ/写真=廣川あゆみ、本田技研工業)

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