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第11戦ニュージーランドは、0.3秒差でグロンホルムが5勝目【WRC 07】
(07.09.03)
ニュース
グロンホルム(写真右)は、ローブとの大接戦を制し、今季5勝目を手にした。
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【WRC 07】 第11戦ニュージーランドは、0.3秒差でグロンホルムが5勝目
2007年の世界ラリー選手権(WRC)第11戦が2007年8月31日〜9月2日、ニュージーランドを舞台に開催された。
ホストタウンはニュージーランド北島の主要都市、オークランドから南に約100kmの距離に位置するハミルトンで、その周辺の牧草地にグラベルステージを設定。いずれも高速パートからテクニカルセクションまでバリエーションが豊富。ラリーウィークは時折シャワーに見舞われるなど気まぐれな天候で、各チームともタイヤチョイスに頭を悩まされることとなった。
そのなかで激しいバトルを見せたのが、フォードのエース、マーカス・グロンホルムとシトロエンのエース、セバスチャン・ローブ。タイトル争いの渦中にある2台は近年に例のない接近戦を展開し、決着は最終ステージのスーパーSSまでもつれ込み、グロンホルムが0.3秒差で今季5勝目を獲得。敗れたローブが2位入賞を果たした。
快走するグロンホルムのフォード・フォーカス。
シトロエンのローブは、悔しい2位フィニッシュ。11戦を終えたドライバーズランキングは2位(80ポイント)で、首位(90ポイント)のグロンホルムを追走する。
■WRC史上に残る大接戦
歴史に残る名勝負。そう思えるほどに真冬のニュージーランドでは熱いトップ争いが展開された。タイトル争いを演じるグロンホルムとローブは、2007年のWRCを象徴するように一歩も譲らないシーソーゲームを繰り広げた。
8月31日のレグ1で幸先の良いスタートを切ったのは、グロンホルムのほうだった。先頭スタートで“路面の掃除役”を強いられながらも、SS1を制覇。続くSS2も制し、2本のSSだけで2番手のローブに14秒の差を築く。
が、午後のループではローブがSS3、SS4を連取。結果、トップのグロンホルムに続いて、ローブが13秒差の2番手でレグ1をフィニッシュした。
明けて9月1日のレグ2でもSS6でローブ、SS7でグロンホルムがトップタイムをマークするなど、レグ1と同様に激しいタイム争いが続く。が、続くSS8でローブがトップタイムを叩き出し、グロンホルムとの差を一気に短縮。さらにSS10、SS11もローブが連取し逆転に成功、ついにローブがトップに浮上し、グロンホルムが2番手でレグ2を終えた。
「タイヤの選択が上手くいった。グロンホルムのタイヤはソフト過ぎたんじゃないかな」とローブが語るように、明暗を分けたのはSS8でのタイヤ選択だったが、ふたりのタイム差はわずか1.7秒。そして翌2日のレグ3でも緊張感のある一騎打ちが展開された。
まずはグロンホルムがSS12を制し、トップのローブに0.1秒差まで迫れば、続くSS13ではローブがトップタイムをマークし、0.5秒にマージンを拡大する。さらにSS14もローブが制し、2番手のグロンホルムを2.9秒引き離すものの、セカンドループではグロンホルムがSS15、SS16、SS17を連取し、ついにトップを奪還。しかし、その差はわずか0.7秒で、決着は最終ステージとなるスーパーSSにもつれ込むこととなった。
最初に出走したのはグロンホルムで、2分52秒9のベストタイムを叩き出す。続くローブは2分52秒5でこれを0.4秒上まわったが、トータル0.3秒差でグロンホルムが逃げ切りに成功。「セカンドループでソフトタイヤをチョイスし、それが上手く行った。最後のスーパーSSはミスをしたけど、勝つことができて本当に良かった」と、今季5勝目を獲得した。
敗れたローブも2位入賞。今大会はWRC史上まれに見る接近戦で、後世に語り継がれる名勝負と言えるだろう。
クリス・アトキンソンは、スバル勢最高位となる4番手でフィニッシュした。
■スバルはアトキンソンが4位入賞
激しいトップ争いを展開したグロンホルム、ローブに続き3位入賞したのは、フォードのセカンドドライバー、ミッコ・ヒルボネン。その後方ではストバート・フォードの9号車を駆るヤリ-マティ・ラトバラとスバルのセカンドドライバー、クリス・アトキンソンが激しい4番手争いを展開した。
レグ2を終えたふたりのタイム差は10.5秒で、レグ3でもSS12でラトバラが4番手タイムでリードを拡大すれば、続くSS13ではアトキンソンが4番手タイム、SS14で3番手タイムを叩き出すなど互いに譲らないタイム争いを展開する。
アトキンソンはSS15でセカンドベスト、SS17でサードベストをマークし、ついに4番手に浮上。最終ステージとなるスーパーSSでもポジションをキープし、スバル最上位の4位入賞を果たした。
一方、スバルのエース、ペター・ソルベルグは第9戦のフィンランドと同様に「オーバーステア」や「2駆状態になるトラブル」に悩まされ、7位フィニッシュ。とはいえ、「サスペンション、デフを含めて、今ある材料のなかからベストな組み合わせを探っています」とスバルの技術責任者、菅谷重雄氏が語るように、度重なるセッティング変更でレグ3ではコンスタントな走りを披露した。この好走がラリージャパンでのスバル復活に繋がることを期待したい。
パンクでつまづいた新井敏弘だったが、猛チャージで首位を奪取。今季2勝目を挙げた。
■PWRCは新井が2勝目、表彰台はスバル独占
同時開催のPWRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)第6戦は、予想外のハプニングが続出するサバイバルラリーが展開された。SS1で日本人ドライバーの鎌田卓麻(スバル)がコースアウトしマシンを止めたほか、SS2でペター・ソルベルグの愛弟子、パトリック・フローデン(スバル)がタービンブローで大きく後退。さらに、SS4ではトップのユホ・ハンニネン(三菱)、2番手のリチャード・メイソン(スバル)、4番手の新井敏弘(スバル)らが相次いでパンクに見舞われ、トップ争いから脱落することとなった。
そんななか、ポルトガルの強豪、アルミンド・アラウジョ(三菱)がレグ1をトップでフィニッシュし、04年のPWRC王者、ナイオール・マックシェアが2番手、ロシアの新星、ユージン・ベルトノフ(スバル)が3番手に浮上した。
翌日のレグ2では、トップのアラウジョがデフのトラブル、ベルトノフがパンク、メイソンがギアボックストラブルに見舞われ上位争いから脱落。代わってマックシェアがトップ、カブリエル・ポッゾが2番手に浮上し、脅威の追走を披露した新井が3番手にジャンプアップを果たす。
レグ3に入ると、3番手の新井が猛チャージ。SS12で2番手、SS17でついにトップに浮上した。
「初日のパンクで11番手まで後退したけど、レグ2でも多くのドライバーが脱落したからね」「(表彰台を)狙っていたけど、優勝できてほっとしたよ」
新井は、劇的な逆転で今季2勝目を獲得。2位はマックシェア、3位はメイソンが入賞し、スバルユーザーが表彰台を独占した。
なお、レグ1、レグ2でペースの上がらなかった奴田原文雄(三菱)は粘り強い走りを披露し5位でフィニッシュした。
(文と写真=廣本泉)
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