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第15戦 大雨の富士でハミルトンV&タイトルに王手、アロンソ自滅【F1 07】
(07.09.30)
ニュース
チャンピオンに王手をかけたウィナーのルイス・ハミルトン(中央)。デビューイヤーに4勝という記録は、1997年にジャック・ヴィルヌーヴが打ち立てたレコードと同じ。つまり塗り替える可能性がある。 2位ヘイキ・コバライネン(左)は初表彰台、3位キミ・ライコネン(右)は、首の皮一枚でタイトル争いに残っている。(写真=Ferrari)
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【F1 07】第15戦日本GP、大雨の富士でハミルトンV、タイトルに王手、アロンソ自滅
F1世界選手権第15戦日本GP決勝が、2007年9月30日、静岡県の富士スピードウェイ(4.563km)を67周して行われた。
30年の時を経て富士に戻ってきたF1日本GPは、“持病”の悪天候に見舞われた。
やまない雨にセーフティカー先導でレースはスタート。2時間もの長丁場を制したのは、スーパールーキー、マクラーレン・メルセデスのルイス・ハミルトンだった。
30年ぶりのF1。富士スピードウェイの“持病”、霧と雨が数々の混乱を招いた。(写真=Ferrari)
ハミルトンの最大のライバル、チームメイトのフェルナンド・アロンソがクラッシュで自滅したことにより、両者のポイント差は2点から12点へと拡大。残り2戦、新人ドライバーのチャンピオン誕生が一気に現実味を帯びてきた。
2位はルノーのヘイキ・コバライネンで、こちらのルーキーは自身初、ルノーにとっても2007年初の表彰台にのぼった。
3位はフェラーリのキミ・ライコネン。序盤後退するも徐々にポジションをあげ、最後には同郷コバライネンにも果敢に勝負を挑んだ。
3位入賞によりライコネンのタイトル獲得は数字上消えていないものの、ハミルトンの17点後方というハンディを覆すのはなかなか難しい。
以下、4位にレッドブル・ルノーのデイヴィッド・クルタード、5位ルノーのジャンカルロ・フィジケラ、6位フェラーリのフェリッペ・マッサ、7位BMWザウバーのロバート・クビサ、そして8位STRフェラーリのヴィタントニオ・リウッツィがそれぞれ入賞した。
ホンダの2台は、ルーベンス・バリケロ10位、ジェンソン・バトン11位完走。ホームコースでトヨタは輝きを見せることができず、ヤルノ・トゥルーリ13位フィニッシュ、ラルフ・シューマッハーはリタイアした。
スーパーアグリ・ホンダは、佐藤琢磨が最後尾15位でゴール、アンソニー・デイヴィッドソンは55周で戦列を去った。
スパイカー・フェラーリの山本左近は善戦し、12位でフィニッシュラインを通過した。
なおレース後、8位リウッツィに、イエローフラッグ中の追い越しによる25秒ペナルティタイムが加算され、9位のエイドリアン・スーティル(スパイカー・フェラーリ)が8位に繰り上がり入賞した。
ポールポジション、ファステストラップ、優勝、そしてアロンソのノーポイント……ハミルトン(写真)にとって富士での週末はパーフェクトに終わった。次週の中国で優勝すれば、初のルーキーチャンプ誕生である。(写真=Mercedes Benz)
■30年の時間
大雨の富士と聞いて、31年前の記念すべき第1回F1日本GP(正式にはF1世界選手権イン・ジャパン)を思い出すオールドファンもいただろう。
マクラーレン対フェラーリの構図は今も昔も変わらないが、しかしそこにはハントもラウダもホシノもハセミもいなければ、30度バンクもない。
ダブルワールドチャンピオンのアロンソ、驚異的なパフォーマンスを発揮する新人ハミルトン、タイトルへの僅かな望みを捨てないライコネン、そしてホンダ、トヨタのワークスチームにスーパーアグリ、タクマ……。
2000年にトヨタ傘下となった富士スピードウェイは、200億円ともいわれる巨費を投じて2005年に近代的なコースへと生まれ変わった。
もちろんその目的は、F1の開催だ。トヨタの悲願が今年達成されたことになるが、既報のとおり、2009年から富士スピードウェイと鈴鹿サーキット(=ホンダ傘下)、日本の2大コースは隔年で日本GPを“シェア”することが決まった。
30年の時間はかくも長く、F1や世界を取り巻く環境に隔世の感を禁じえない。
ドライを望んでいたルノー勢は、雨でも善戦。ウェバー、ヴェッテルの“同士”討ちにより、コバライネンは初のポディウムに。ルノーは、苦しい戦いをしいられた2007年を、いいかたちでしめくくろうとしている。(写真=Renault)
■雨で混迷、フェラーリは混乱
金曜日に晴れわたった富士は、土曜日には霧と雨で覆われ、日曜日も雨は続いた。
半ば強引にスタートした土曜予選と同様、レースも開催を疑問視する声が聞こえるほどの悪天候。フォーメーションラップなし、セーフティカー先導によるスタートが決定した。
もうひとつの決定事項――全車エクストリームウェット(大雨)タイヤを装着しなければならない――が、勝敗を分けるひとつのカギとなった。
午後1時30分、セーフティカーに率いられ各車スタート。40分以上、19周もの間、徐行運転が展開されたのだが、この間タイヤをめぐりフェラーリのピットは混乱していた。
全車大雨タイヤを装着することを「スタート後に聞かされた」というフェラーリは、ライコネン、マッサともに通常のレインタイヤを履かせていたため、セーフティカーラン中にタイヤ交換のためのピットインをしなければならなかった。これによりフェラーリの2台は大きく順位を落とすことになった。
ウェットタイヤをめぐる混乱に泣いたフェラーリ。ライコネン(写真)は終盤に順位を挽回し3位に。フェリッペ・マッサは最終ラップにロバート・クビサと丁々発止とやりあい、6位の座を奪い取った。なおマッサはこの時点でタイトル争いから脱落した。(写真=Ferrari)
悲願の富士・日本GPで上位入賞を狙ったトヨタだが、予選・決勝とも振るわず。最初のセーフティカーラン中にピットインしたヤルノ・トゥルーリ(写真手前)は13位で完走。ラルフ・シューマッハー(同奥)は、電子系トラブル、ゴール目前にタイヤのパンクに見舞われリタイアに終わった。(写真=Toyota)
スーパーアグリは満身創痍。佐藤琢磨(写真)は、悪天候に加え、スタートでの前車との接触、タイヤのオーバーヒートなどと格闘し15位でゴール。アンソニー・デイヴィッドソンはスロットルセンサーのトラブルでリタイアをきっした。(写真=Honda)
■アロンソの致命的なミス
セーフティカーが戻り本当のレースがスタートした。ポールシッターのハミルトン、それに続くアロンソらはクリアな視界でハイペースで周回を重ね始めるが、その後方ではマッサ、アレキサンダー・ブルツ、バトンらがスピンするなど荒れた展開。
その間、STRのセバスチャン・ヴェッテルが3位にジャンプアップ。弱冠20歳のドイツ人ドライバーは、一時トップを走行するなど健闘したが、46周目のセーフティカーラン中、あろうことか兄弟チーム、レッドブルのマーク・ウェバーにオカマをほってしまいリタイアをきっした。
マクラーレンにもアクシデントが襲う。ハミルトンはロバート・クビサとの絡みでスピン、またアロンソはヴェッテルと1コーナーで接触しマシンのパーツを壊しながらの走行。それでも、42周目にアロンソが起こした致命的なミスに比べれば些細なものだった。
ヘアピン手前、アロンソのマシンはコースをはみ出しクラッシュ。18戦ぶりに無得点に終わった。
僅か2点差で3年連続のチャンピオンを狙っていたアロンソ。ハミルトンが無事にトップでチェッカードフラッグをくぐったことで、残り2戦という時点で12点ものビハインドを背負ってしまった。
これにより、22歳のイギリス人ハミルトンが、1週間後の中国GPでタイトルを獲得する可能性が出てきた。
初のルーキーチャンピオン、そして最年少王者の誕生か。それともアロンソのハットトリック達成か。あるいはライコネンの奇跡の逆転か。
中国とブラジル、2007年シーズンはこの2レースしか残されていない。
(文=bg)
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