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第11戦ハンガリーGP「もっともラッキーだったのは……」【F1 08 続報】
(08.08.04)
ニュース
ヘイキ・コバライネンが出走28戦目で初優勝。1950年からはじまるF1史のなかで100人目のウィナー誕生の瞬間。(写真=Mercedes Benz)
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【F1 08 続報】第11戦ハンガリーGP「もっともラッキーだったのは……」
2008年8月3日にハンガロリンク・サーキットで行われたF1第11戦ハンガリーGP。ヘイキ・コバライネンの初優勝、フェリッペ・マッサの勝利目前のエンジンブロー、ティモ・グロックのポディウムへの力走など見どころの多いレースだったが、この週末もっともラッキーだったのは……。
フェリッペ・マッサの会心の一撃。スタートですばらしい出だしを決め、1コーナー手前でポールシッターのルイス・ハミルトンに並びかけオーバーテイク。その後のレースをコントロールしたのだが……。(写真=Ferrari)
■マッサ対ハミルトン
マクラーレンに一日の長あり──ハミルトンとコバライネンがフロントローを独占するいっぽう、マッサ3位、ライコネンにいたっては6位とフェラーリ勢は後方に沈んだ。
2連勝の勢いをかってハンガリーへとやってきたハミルトンはポールポジションを獲得。追い抜き困難なハンガロリンク、スタートさえうまく決めれば、彼のレースとなる公算は大きかった。
それにマッサが待ったをかけた。シグナルがかわると同時にハミルトンの背後へ吸い寄せられるように動き、1コーナー手前アウト側で白煙をあげながらフェラーリがトップを奪った。マッサは10周で2.8秒のリードを築き、序盤のレースをコントロールした。
マッサがこれほどまでマクラーレンに牙を剥くとは誰も思わなかっただろう。その好走の影には、前戦ドイツGPでハミルトンに抜かれたときの屈辱の念があったと考えられなくもない。
キミ・ライコネンを従えて周回を重ねたフェルナンド・アロンソだったが、最後のピットストップで抜かれ結局4位。ルノーは、前戦初めて表彰台にのぼったネルソン・ピケJrが2戦連続入賞となる6位でゴールしている。(写真=Renault)
……残り3周、マッサのエンジンは白煙をあげ、マシンはストップ。勝利目前でコックピットを降りた。(写真=Ferrari)
■28戦目の勝利
出鼻からつまずいたハミルトンだったが、また勝機を逸したわけではなかった。18周を終えマッサが最初のピットイン。翌周にハミルトンがピットへ入ると、マッサよりも長いスティントを走れるよう給油を行った。つまり次のピット作業もマッサが先んじるわけで、自らのピットインまで軽いマシンで飛ばしリードタイムを稼げば、トップ逆転を狙えるのだ。
しかしハミルトンは第2スティント中、左フロントタイヤにフラットスポットをつくってしまう。バイブレーションを感じながらの走行でペースは思うようにあがらなかったが、それでも勝算はまだまだあった。
41周、ハミルトンの左フロントタイヤがパンクしコースオフ。弱くなったフラットスポット部分に異物が刺さったとみられる。緊急ピットインで10位まで後退、ハミルトンの優勝はリアリティを失った。
これで安泰となったはずのマッサにも魔の手が忍び寄る。70周の暑く長いレースを締めくくろうとしていた残り3周、メインストレートを加速するフェラーリが白煙をあげ、ピットウォール横に止まった。
ブラジリアンにとって残酷な結末だが、そのレース運びにはチャンピオン争いを繰り広げるドライバーとしての“格”を感じることができた。
マッサのリタイア(実際には17位完走扱い)により、2位を走行していたコバライネンにトップの座が転がり込んだ。GP出走28戦目、そして100人目のF1勝者となったフィンランド人に、マクラーレンのボス、ロン・デニスは「勝利の世界へようこそ。これから重ねる多くのうちの最初の1勝だ」と声をかけた。
ティモ・グロックの2位はトヨタ最高位タイの結果。チームは今年2度目の表彰台で、コンストラクターズチャンピオンシップで35点を獲得し4位につけている。(写真=Toyota)
■グロックの力走
初めてポディウムの頂点に立つコバライネンの横には、前戦クラッシュしストレッチャーで運ばれたティモ・グロックの姿があった。
予選5位という結果は、ライバルより長い第1スティントを走ったことから決して軽いマシンで叩き出したものではないことがわかる。そこから常にトップ圏内を走り手に入れた初表彰台2位は、この2007年GP2チャンピオンの力の片鱗を示すリザルトといえよう。
中堅チーム間の激しい争いのなか、トヨタがライバルを一歩リードしはじめている。ルノーやレッドブルを出し抜いてコンストラクターズ4位を得るには、ナンバーワンのヤルノ・トゥルーリとグロックのコンビネーションがカギを握ってくる。
BMWザウバー勢は、ロバート・クビサ(写真)が8位入賞、ニック・ハイドフェルドは10位で完走した。目標の初優勝をカナダで達成し、コンストラクターズランキング3位の座はほぼ確実。BMWは、2強─フェラーリとマクラーレン─が今年のチャンピオンシップ争いで手が抜けないのを尻目に、既に2009年マシンの開発に注力しているとされる。(写真=BMW)
ウィリアムズはシーズン中盤にパフォーマンスをぐっと落としたチームのひとつ。中嶋一貴13位、ニコ・ロズベルグ14位完走。同じエンジンを積むワークス・トヨタとの差は歴然としたものに。(写真=Williams)
■3人によるタイトル争い
さて、チャンピオンシップを争うドライバーのなかで、このレースもっとも幸運に恵まれたのは誰か?
仮にハミルトンの左フロントがパンクせず、マッサのエンジンが最後まで快調に回り続けていたとしたら……もっとも深い痛手を被ったのはライコネンだったろう。
ハミルトンとマッサがトラブルで後退し、3位表彰台でレースを終えることができたワールドチャンピオンは、被害を最小限に抑えることができた。
レース終盤こそ、前方のグロックを攻め立てる走りをみせたが、この週末もっとも苦戦したドライバーのひとりがライコネンであったことは間違いない。最大の課題は予選。ブリヂストンタイヤの特性をうまくつかみ、一発の速さを手に入れさえすれば、4月末の第4戦スペインGP以来遠ざかっているポディウムの頂点に返り咲けるのだが。
チャンピオンシップ上位の順位は、1位ハミルトン62点、2位ライコネン57点、3位マッサ54点、そして4位ロバート・クビサ49点。BMWが照準を2009年に向けたいま、3ドライバーによるタイトル争いが続くことになるだろう。
次戦は8月24日、スペインはバレンシアの市街地コースで行われるヨーロッパGPだ。
(文=bg)
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