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第13戦ベルギーGP「幻の優勝、僅差のタイトル争い」【F1 08 続報】
(08.09.08)
ニュース
ルイス・ハミルトンへのペナルティによりレース後ウィナーであることが宣言されたフェリッペ・マッサ。表彰台の顔ぶれは同じだが、ハミルトンが3位へ降格したことにより、1位マッサ、2位ニック・ハイドフェルドという順位に。(写真=Ferrari)
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【F1 08 続報】第13戦ベルギーGP「幻の優勝、僅差のタイトル争い」
2008年9月7日にスパ・フランコルシャン・サーキットで行われた、F1第13戦ベルギーGP。
レース終盤に繰り広げられたキミ・ライコネン対ルイス・ハミルトンの手に汗握る攻防は、ライコネンのクラッシュと、ハミルトンへのペナルティ、フェリッペ・マッサの繰り上げ優勝という、後味の悪い結末を迎えた。
スパの名物コーナー、オールージュ。急勾配を駆け上がりながら左、右、左とターンを切る。もうひとつのスパ名物、変わりやすい天候が、レースの行方を左右した。
(写真=Ferrari)
レース終盤、トップのライコネンと2位ハミルトンとのギャップはみるみる縮まり、コース中間部分で雨が降り始めると、ついにハミルトンがライコネンに襲いかかった。両車は度々コースオフ、復帰を繰り返し順位を交換したが、残り2周、ライコネンがウォールにヒットした時点でハミルトンに軍配が上がった。少なくともゴール直後までは…。(写真=Ferrari)
■ライコネン復活のシナリオ
ドライバーの優劣が如実にあらわれる──スパ・フランコルシャンがドライバーズサーキットと呼ばれる所以である。ベルギー東部の丘陵地に横たわるGP最長コースで、これまで3連勝しているのがライコネンという事実は、その裏付けと言えるだろう。
4月のスペインGP以来勝利から遠ざかっているライコネンが、得意のスパで復活を遂げる。チャンピオンシップはハミルトン、ライコネン、マッサの三つ巴の様相を呈し、シーズン終盤戦が盛り上がりを見せる──というシナリオは、レース残り3周時点で降り出した雨により、予想もしなかった方向に書き換えられた。
スタート前の雨により、最終のバスストップ・シケインから名物コーナー、オールージュまで路面はダンプ(濡れた)状態。しかし長いコースのそのほかが乾いているとなれば、ドライタイヤで出るのが賢明だった。
ポールシッターのハミルトンは、スムーズなスタートでタイトな1コーナーをトップのまま抜けた。その後方ではフェラーリ同士の2位争いが繰り広げられ、2番グリッドのマッサに、1コーナーをコースオフしながら立ち上がるライコネンが襲いかかった。長い直線、ケメル・ストレートで2位にあがったライコネンは、照準をハミルトンにあわせ、久々の勝利に向けてレースを組み立て始めた。
2周目、2位ライコネンに早くもトップの座が転がり込んだ。1.5秒のギャップを築き1周してきたハミルトンが、まだ濡れている1コーナーでスピン。すぐにコースに戻ったものの、勢いづくライコネンを抑えることはできず、首位が逆転したのだ。
その後40周近くにわたり、ライコネンがスパ4連勝に向けてひた走った。2位ハミルトンがフェラーリを追うが、ピットインのタイミングでマクラーレンの前に後続車が連なったことで、レース中盤には両車の間には約5秒ほどのギャップができた。
起死回生の1勝目前でリタイアしたライコネン。ハミルトンが降格したことでポイント差は縮まったが、依然として19点ものギャップが立ちはだかる。(写真=Ferrari)
5番グリッドからオープニングラップの混乱で順位を大きく落としたニック・ハイドフェルド。7位走行中のレース終盤、降り出した雨にあわせてウェットタイヤを選択。これが奏功し見事3着(後に2位昇格)でゴール。(写真=BMW)
■残り3周の首位攻防
事態が急転したのは残り3周。第3スティントのハードタイヤがうまくマッチしたハミルトンのマクラーレンは、トップのライコネンの後方1秒以内につけていた。そして、シャワーがコースの中間部分で降り出した。
雨を望んだのは追うハミルトン。雨を嫌ったのはトップを守りたいライコネン。両車はテール・トゥ・ノーズ状態で最終セクションを走り抜けた。そしてバスストップ・シケインで、ハミルトンがアウトから仕掛けた。
両車は並ぶようにしてコーナーに入ったが、接触すれすれの状態でハミルトンはコースを外れ、ショートカットするカタチでメインストレートに戻った。ライコネンの前に出てしまったハミルトンは、スタート/フィニッシュライン手前でバックオフ。わずかながらフェラーリが先頭を守ったのもつかの間、1コーナーでインにつけたハミルトンが1位の座を奪取した。
その後両車はスピン、コースアウト、コース復帰を繰り返し、トップを入れ替えながら、目前となったゴール、そして優勝を目指した。前方のバックマーカーを避けようとハミルトンがグリーンにはみ出ると、今度はライコネンがスピンしコースアウト。決着は、シケイン手前でライコネンがウォールに追突したところでついた。
ハミルトンはドライのまま最終周に入り、2位にあがったマッサに14.4秒の差をつけ、首位のままチェッカードフラッグを受けた。
ポディウムには遠く及ばず、また後続とのバトルもなし──フェルナンド・アロンソは孤独なレースに終始した。最後の雨の混乱でウェットタイヤに交換したが、同じ作戦をとったハイドフェルドに先を越され、4位でゴール。
(写真=Renault)
ここのところ好調のトヨタは、ベルギーにきて苦戦。2台ともQ3進出ならず、またレースですばらしいスタートを決めたヤルノ・トゥルーリも、オープニングラップで追突され16位でレースを終えた。1ストップ作戦でポイント獲得を狙ったティモ・グロックは、8位でゴールしたがレース後25秒のペナルティ加算を受け得点ならず。イエローフラッグ中の追い抜きが違反ととられた。(写真=Toyota)
■僅差のタイトル争い
ゴール後、ハミルトンとマクラーレンが歓喜に酔いしれている間に、ハミルトンとライコネンの攻防戦が審議の対象となっていることが明らかになった。
そして日曜夜、ハミルトンに25秒のドライブスルーペナルティを科すとする裁定がくだり、ハミルトンは3位降格、2位だったマッサと3位ハイドフェルドが繰り上がるという結果が出された。
シケイン不通過により、ハミルトンがアドバンテージを得た、というのがペナルティの理由。マクラーレン側は不服としてアピールする構えである。せっかくのスリリングなレースが、勝者変更という後味の悪い結末を迎えてしまった。
降格したハミルトンだが、ポイントは76点で首位を守っている。しかし2位マッサは2点後方の74点に迫り、一気に僅差でのタイトル争いとなった。
ライコネンはハミルトンの19点後方に位置。残るは5戦。フェラーリは、マッサのタイトル獲得に向けてライコネンをサポート要員とするかという決断をそろそろ下さないといけない。
次戦は9月14日、フェラーリのお膝元イタリアGP。フェラーリにとっても、また今回勝利を奪われたマクラーレンにとっても、なんとしても落とせない1戦となる。
(文=bg)
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