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第16戦日本GP「格の違い、まざまざ」【F1 08 続報】
(08.10.13)
ニュース
フェルナンド・アロンソ(左から2番目)がシンガポールGPに次ぐ2連勝。2位ロバート・クビサ(アロンソの左)、3位キミ・ライコネン(同右)らとポディウムにのぼった。(写真=BMW)
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【F1 08 続報】第16戦日本GP「格の違い、まざまざ」
2008年10月12日に富士スピードウェイで行われたF1第16戦日本GP。初タイトルを狙うルイス・ハミルトンとフェリッペ・マッサが、プレッシャーに耐えかねてか早々に自滅。浮き足立った2人を尻目に、チャンピオン獲得2回のフェルナンド・アロンソが優勝し、格の違いを見せつけた。
マクラーレン、フェラーリの2強が躓いているのを尻目にルノーが2連勝。アロンソの優勝とともにネルソン・ピケJr.が4位でフィニッシュしポイントを加算、コンストラクターズチャンピオンシップでは66点で4位、最大のライバルであるトヨタに16点もの差をつけた。(写真=Renault)
スタートで出遅れたポールシッターのルイス・ハミルトン(手前左)。ライコネン(その右)からトップの座を奪おうとやや無理のある追い越しをしてしまい、混乱を招いたとしてペナルティを受けた。ハミルトンは12位完走で無得点。しかしポイント争いではリーダーの座を守っている。(写真=Ferrari)
■「ミスは許されない」はずだが
「われわれはチャンピオンシップを切望している。ミスは許されない」とは、マクラーレンのボス、ロン・デニスのレース前の言葉だ。
日本GP前、残り3戦という時点で、ドライバーズチャンピオンシップではハミルトンがマッサを7点突き放しトップ、コンストラクターズタイトル争いではフェラーリに1点差をつけマクラーレンが首位に躍り出た。
昨年、大雨のなかハミルトンが大勝した富士だが、狙うは2年連続優勝よりも、その先にあるまだ見ぬ栄冠であった……はずである。しかし栄冠が眩しすぎたか、ハミルトンはつまらないミスをおかし、またマッサも同様だった。
今年6度目のポールポジションを獲得したハミルトン。背後にライコネン(予選2位)、マッサ(同5位)をしたがえた、彼にとって理想的なグリッドだった。その理想が、スタート直後に早くも崩れた。
出だしが遅かったハミルトンはライコネンにかわされたのだが、1コーナーでトップの座を無理やり奪わんとインから仕掛けた。ハミルトンのマシンはタイヤスモークをあげ、2台のフェラーリと接触しチームメイトのヘイキ・コバライネンの邪魔をし、ハミルトン自身は6位へと順位を落とした。
そこからでも上位は狙えたが、幸か不幸か、前方5位にはライバルのマッサがいた。2周目の最終セクション、タイトな11ターンで、ハミルトンに先を越されたマッサがコースカットして突っ込み両車接触。マッサは走行を続け、ハミルトンは全車が通り抜けてから復帰した。
そしてハミルトンとマッサには、ドライブスルーペナルティが科せられた。前者はスタート直後の混乱、後者はターン11のコンタクトの責任をとらされたかっこう。最終的にハミルトンは12位無得点でレースを終え、マッサはセバスチャン・ブルデーのペナルティ降格により7位2点を手に入れ、7点あったポイント差は5点に縮まった。
序盤レースをリードしたクビサ(手前)は、劣勢のマシンで健闘し2位でフィニッシュ。ポイントリーダー、ハミルトンの12点後方というポジションにつけた。残り2戦で奇跡の大逆転チャンピオンとなるか?(写真=BMW)
予選では5位と沈み、レースではハミルトン、そしてピットアウト後のセバスチャン・ブルデーと接触するなどミスをおかし、しかしブルデーがペナルティを受けたことで結果7位2点を獲得できたフェリッペ・マッサ。レース後、不満や言い訳を記者団にもらした。ハミルトンとのポイント差は5点である。(写真=Ferrari)
■迫真のレースクラフト
チャンピオンにもっとも近い2人が不甲斐ないレースをしている最中、見事なレースクラフトを披露したのがアロンソ、そしてロバート・クビサだった。
スタート直後にトップに立ったクビサに続くのは、アロンソ、コバライネン、ライコネン、そしてトゥルーリ。クビサは17周目に4位走行中のライコネンとともにピットイン、翌周アロンソも給油、タイヤ交換に飛び込んだ。
ここでアロンソは給油量を抑え停止時間を短くし、クビサの前でコース復帰することに成功した。ピットワークが一巡し、29周目にP1にのぼりつめたアロンソは、「とにかく飛ばせ!」というチームの激励に応え、他車より0.5〜0.7秒速いペースでそのポジションをたしかなものにした。
かつてタイトルをともに勝ち取ったアロンソ/ルノー。そのコンビネーションの実力を、再び目の当たりにすることができたレースだった。
アロンソに逃げられたものの、2位争いは白熱。最後のピット作業を完了し、2位を守るクビサ、そして3位ライコネンが丁々発止とやりあうなか、4位ネルソン・ピケJr.のルノーまでが追いつき、一触即発の状態となった。
マシンのパフォーマンス、タイヤの状況を考えると追う3位ライコネンにアドバンテージがあり、3度にわたりクビサのスリップストリームに入りオーバーテイク寸前までいったのだが、そのたびにクビサが善戦しポジションを死守。この勝負は、やがてライコネンにタイヤのグレイニングがおきると決着がついてしまうが、迫真のレースクラフトは見ごたえあるものだった。
7点ものアドバンテージがあるのだから、たとえライバルに先を越されても慌ててはならない──ポイント取りこぼしを繰り返さないという、チャンピオンになるための不文律を、ハミルトンはすっかり忘れてしまっていたようだ。 スタート直後の混乱によるペナルティは厳しすぎる、という意見もあったが、結果的にマッサと勝負し接触してしまうような状況に自らを追い込んでしまったことは大いなる失敗。レーシングドライバーとしての未熟さがまだ散見される。(写真=Mercedes Benz)
トヨタは、好調なティモ・グロックが8番グリッドからスタートするも、縁石に乗り上げた際のダメージによりリタイア。ヤルノ・トゥルーリ(写真)は手堅く、しかし前車に勝負をかける力はなく、5位完走。お膝元で華々しい活躍はならなかった。(写真=Toyota)
母国の期待を背負う中嶋一貴に、スタート直後不運が襲う。14番グリッドから混乱に巻き込まれ、コースアウトするレッドブルに接触。フロントウィングを壊し順位を落とし、結果最後尾15位で完走。(写真=Williams)
■ミス多き2008年
2008年シーズンは、ハミルトンといいマッサといい、ミスによる取りこぼしがあまりにも多く、日本GPでも双方凡ミスで高まる期待を大きく裏切った。ミス多きシーズンの証拠に、残り2戦でポイント数(ハミルトン84点、マッサ79点)は例年になく少ない。
いっぽう、今回アロンソやクビサは迫真の勝負を見せ、ハミルトンらとの格の違いすら感じさせた。
初めてのタイトルを狙う、というプレッシャーの大きさは想像に難くなく、偉大なドライバーでさえ信じられないミスをおかすこともあるのだが、栄冠を手にするドライバーには有無をいわせぬレースでそれを実現してほしいものであり、中国、ブラジルでの勝負が、つまらないミスで台無しにならないことを祈るばかりだ。
ハミルトンか、マッサか、クビサか。次戦中国GPは10月19日に決勝が行われる。
(文=bg)
苦戦したホンダは、期待した雨にも恵まれず、予選ではルーベンス・バリケロ17位、ジェンソン・バトン18位。苦肉の策で1ストップ作戦をとるもポイントははるか遠くのバリケロ13位、バトン14位。(写真=Honda)
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