■「R8」を凌ぐパワー
「クワトロ社(quattro GmbH)」は、アウディのスポーツモデルを手がけるアウディの子会社。RSモデルと呼ばれる一連のスポーツモデルもクワトロ社によるものだ。そのRSモデルの最新作となる「RS 5」は、「A5クーペ」をベースに、そのスポーツ性を研ぎ澄ましたモデルであり、A5シリーズの頂点に位置づけられる。
一番の特徴は、パワーアップしたエンジン。RS 5には、「S5クーペ」同様、自然吸気の4.2リッターV8直噴ガソリンエンジンが搭載されるが、バルブタイミングの見直しや吸排気システムのチューニングなどにより、最高出力はS5を96psも上回る450ps/8250rpmを達成。これは、「R8」に搭載される同排気量のV8を凌ぐ数字だ。トランスミッションは、デュアルクラッチギアボックスの7段Sトロニックが組み合わされる。
フルタイム4WDシステムのクワトロにも新しい試みが。これまで、縦置きエンジンのクワトロには、トルセンデフ、またはそれと同様の機構を持つLSDがセンターデフとして使われてきたが、このRS 5ではクラウンギアを用いたセルフロッキングディファレンシャルへと変更になり、小型軽量化が図られている。通常時の前後トルク配分は40:60で、路面状況により15:85から70:30まで変化する。
そして、RS 5では新たに「エレクトロニック・トルク・ベクタリング」機能を搭載。左右輪の駆動力をコントロールすることでヨー(クルマを左右に回転する力)を発生させ、コーナリング性能を高めるというものだ。さらに、すでにS5クーペや「A4」に採用されているリアスポーツディファレンシャルが後輪左右の駆動力を最適に配分して、トランクションとハンドリングを一層向上させる。
新しいエンジンとクワトロを手に入れたRS 5は、0-100km/h加速4.6秒の駿足を誇る。その一方で、燃料消費を9.25km/リッターに抑えたというのも自慢である。