お答えします。たしかにオートマチックトランスミッション(AT)はマニュアルトランスミッション(MT)に比べ、速度のわりにエンジン回転が高くなります。
MTの場合、エンジンで発生した動力はクラッチを介してトランスミッションに伝えられますが、ATでは、その役割をトルクコンバーター(略してトルコン)という流体クラッチが果たしています。トルコンはたとえていうなら水車です。小川が流れはじめる(エンジンが回転する)と水車はゆっくりと回り、徐々に回転が速くなっていきます。しかし小川の流れと水車には回転の差があります。それが「滑り」です。ATはこの滑りがあるためにMTに比べてエンジン回転が上がってしまうのです。
そこでエンジンとトランスミッションの間の滑りを無くすような機構がトルコンにあれば、効率良くエンジンの回転を伝えることができます。そこで開発されたのがロックアップクラッチ機構です。エンジンからの回転をトルコンを介さずに、直接クラッチを通じてギヤに導く仕組みで、トルコンが必要ではない領域(一定速度でエンジンがぎくしゃくしないギヤレシオ時)でのみ働きます。
従来のロックアップ機構では、その機能が発揮される走行領域が極めて狭かったため、その結果、燃費などの面ではそれほど顕著な差が表れませんでした。しかし最新の電子制御によるロックアップ機構は、ポイントを細かく制御するので、ファジーな運転や低速域でもロックアップが働き、MT車に負けない高燃費を実現しています。