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2005年、webCGはこの4台にZokkon! (日産ノート)
(05.12.18)
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荷室の「2段マルチトランク」をめぐって激論。
「見られたくないものをこっそり隠しておくこともできる」
「人に見られて困るものがあるんですか?」
可愛いだけじゃない、謙虚な実力派
日産ノート15RX(FF/CVT)
……180万4000円
「SHIFT_compact flexibility」を謳って登場した、広さとユーティリティ、走りの良さを誇る日産のコンパクトカーがノートだ。金はなくとも豊かな生活をしたい、というライフスタイルに向け、建設的な提案がここにはあるのだろうか。
スタッフ(鈴木)の主張
「ノートは、浅田真央に象徴される日本人の謙虚な心を持ったクルマである」
島下泰久の反論
「それって、チープというか、ビンボー臭いってことじゃないの?」
■
ディベート編
──「広さとかデザインとかいろいろいいたいことはあるけれど、ノートはね、一言でいえば要するに浅田真央なクルマなんですよ!」
島下:
あ、浅田真央!? そいつはイキナリですねぇ。して、そのココロは?
──「見たでしょう? 12月のフィギュアスケートGPファイナル。1位になって彼女は『ビックリビックリビックリビックリ』って叫んだでしょう?」
島下:
確かに、ビックリビックリビックリビックリでした。でも、それが何でノートに?
──「スゴい演技をしながら自分を過大評価せず、結果を素直に喜ぶ謙虚さ。 きっとトリノに行きたい気持ちもあったでしょう。けど、それを出さない。日本人が古来持っていたはずの謙虚さがありますよ。ノートには、そんな日本人が忘れかけている心があるんです」
島下:
見栄を張らないとか、そういう意味ですか? それって単にチープってことじゃ……。
──「何を言ってるんですか! 内装に凝りましたとか言って、本当は大したコトのないティーダなんかと較べて、こっちのほうが全然好感持てるでしょ、っていう話です」
島下:
内装と言えば、あの2段マルチトランクなんて実際どれだけの人がありがたがってるんですか。フロアの板を抜き差しして仕切りにするなんて、午後のワイドショーに出てくる収納大好き主婦みたいで、ビンボー臭いったらないですよ。
──「こないだ台所のネット棚が壊れていて、たまたまノートを借りていたんで100円ショップに買いに行ったんです。そしたら、デカいものもポンと入れられていいんですよ。フタをすれば、百均で買ったってバレないし。バカでかいミニバンは要りません! ノートこそ、今年から世界語になった“モッタイナイ”の精神を体現したクルマです」
【スペック】
全長×全幅×全高=3990×1690×1535mm/ホイールベース=2600mm/車重=1090kg/駆動方式=FF/1.5リッター直4DOHC16バルブ(109ps/6000rpm、15.1kgm/4400rpm)/価格=156万4500円(テスト車=180万4000円/カーウイングス対応ナビゲーションシステム=24万1500円)
■
島下泰久のマトメ
まさに2005年は国産コンパクトカーの当たり年だった。上半期には、この日産ノートに加えて、「トヨタ・ヴィッツ」、そして「スズキ・スイフト」など実力派モデルが続々デビュー。いずれも市場において予想を上回る高評価を得た。
その中でノートは、上ではアンチ派を演じているが、実は結構感心させられたモデルだった。ミニバンなりSUVからコンパクトカーに移行する、いわゆるダウンサイジング層が増えていることに鑑みて、そうしたモデルからの乗り換えでも我慢を強いることのない室内空間の十分な広さと、アレンジ性に優れた使い勝手の良いラゲッジを備え、それでいて全長4m未満に抑えたパッケージングは見事。
走りもこのプラットフォームを使う日産車の中では一番まともだし、様々なデザインキューが入り乱れていて最初はやや違和感を覚えたスタイリングも、街で見ると意外なほど颯爽としていて、とてもいい存在感を放っている。「クルマなんてこんなもんだよ」と思ってしまうのはそれはそれで寂しいが、無駄に生活を圧迫することなく、かといって所帯じみた風でもなく、クルマのある生活を楽しめるという意味では、やはり大したものだったと思うのだ。
年収300万円時代の到来が騒がれたのは2004年のことだが、2005年の世情は、それよりさらに悪化したように感じる。所得格差は一段と進み、特に“負け組”側は、年収300万円だって覚束なくなりつつあるのが現状だ。しかし、幸福の尺度は年収の多寡だけで決まるものではないだろう。ノートのように、「これしかない」じゃなくて「これでいい」と思える小型車をいきいきと使いこなす生活は、きっと豊かだ。プレミアムも結構だが、自動車メーカーはこの市場にも、やるべきことは山ほどある。
ただし、それでもノートが浅田真央だという説には賛成しかねる。それは筆者がミキティ(安藤美姫)派だから……という理由ではない。ノートの謙虚さとは偶然の産物ではなく、コンセプトからしっかり練り込まれたものにほかならないからだ。
(文=島下泰久/写真=高橋信宏/2005年12月)
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