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2005年、webCGはこの4台にZokkon! (メルセデス・ベンツCLS)
(05.12.20)
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「運転してると、視線がビシバシです」
「自分のクルマじゃないから、調子にのらないように」
「ここに CD チェンジャーが隠れてるんですよ」
「えっ、知らなかった……」
機能は二の次、カッコつけられるメルセデス
メルセデス・ベンツCLS500(FR/7AT)
……1037万4000円
シニア層向けの商品が売れた2005年。世の“ちょいモテ”オヤジたちは、こぞって自分を魅せることに目覚め始めた。「メルセデス・ベンツCLS」の好調は、その流れにのったものなのだろうか?
スタッフ(本諏訪)の主張
「保守的なメルセデスに突如現れ、伝統の殻を打ち破ったCLSは、相撲界での琴欧州の活躍に似ている」
島下泰久の反論
「CLSこそ、メルセデス乗りの待ち望んでいたクルマ」
■
ディベート編
──「CLSがヒットしたということは、ようやく日本人の男も自分がカッコをつけていいんだと気付いたんだと思うんですよね、今年は」
島下:
ちょいモテオヤジの影響ってこと?
──「そうです。マニアックなブランドに走らなくても、メルセデスというメジャーブランドでカッコつけられるというのは、そういうカッコをつけるということの大衆化を表してるんですよ!」
島下:
でもさ、すでに“ちょいモテオヤジ”とか言ってる時点ですでにカッコ良くないわけじゃない、流行として消費されちゃって。それと一緒で、メルセデスがやったら裾野は広がるかもしれないけど、もはや本当にワカッてる人の間では終わりでしょ。そんな簡単に誰もがカッコ良くはなれないって。
──「僕はどっちかっていうと“アンチメルセデス”なんですけど、CLSならいいですね。裾野が広がって、世間のクルマがカッコ良くなっていくなら、いいじゃないですか。」
島下:
まあカッコは好きずきだからそれでもいいけど、じゃあ走りはどう? 多少はクイックに躾けてあるけれど、やっぱりメルセデスでしょう、あの乗り味は紛れもなく。
──「そういう話じゃないんですよ。カッコが問題。」
島下:
でも、ほかのメルセデスには内面からにじみでる良さが外観にもあるじゃない? CLSはガワだけでしょ?
──「メルセデスの価値は認めているけれど、そういうメルセデスが好きだと世間に見られたくないという人が買うんですよ。」
島下:
違う、違うって! CLSこそ、メルセデス・オーナーの大半が望んでいたメルセデスそのもので、買っているのも、やっぱり今までメルセデスを買っていた人が多いはず。つまり、ちょっと下品で、押しが効いていて。でもって、あれはEベースだからS並みのサイズだけど、値段はそれほど高くない。実はメルセデスとしてのコストバリューが最高なのがCLSなんだってば!
──「えっ、えっ、そうですかね……。それでも、僕はCLSを支持します!」
【スペック】
全長×全幅×全高=4915×1875×1390mm/ホイールベース=2855mm/車重=1780kg/駆動方式=FR/5リッターV8SOHC(306ps/5600rpm、46.9kgm/2700-4250rpm)/価格=1029万円(テスト車=1037万4000円)/パークトロニック=8万4000円)
■
島下泰久のマトメ
2005年の輸入車で注目されたのは、決して王道とは言えない2台のセダンのヒットだ。1台は「クライスラー300C」。そしてもう1台が、この「メルセデス・ベンツCLS」である。奇しくもこれら2台は、新旧の違いこそあるが、ともにセダンの王道Eクラスがベースというところも興味深い。
この現象は、今の輸入車に求められるものは何なのかを明らかにするものだったのではないだろうか。特にCLSのヒットは、メルセデス・ベンツを求めるユーザーの一部は確実に、その機能性だ何だという部分ではなく、押しの強さやブランド性といったものにこそ価値を置いているということを露にしてしまった。もちろんメルセデスはそれを知っていてCLSを出したのだろう。
けれど、それは禁断の扉を開けてしまったんじゃないかという気もしないではない。だって今後、Cクラスベースの4ドアハードトップ……だから、CLKS? が出てこないなんて、誰が言えるだろう?
そうしたことをひとまず置いておけば、個人的にもCLSは好きな1台ではある。あんな屋根の低いセダンなんて、という声もあるが、そもそもクーペなんだと思えば腹も立たない。リアドアは、フォーマル感を演出するための小道具、単なるおまけである。
あれだけ大きいのに使い勝手は悪いが、それも贅沢なクーペとしては勲章にすらなる。つまり、すべてがメルセデスの思惑通りなのだ、CLSは。旬の今、ササッと買って乗るにはまさに最高。一方、憧れてローンで買ったり、中古車を待つようなクルマでないことも、また間違いない。
守り続けられてきた伝統の殻を打ち破って、旋風を巻き起こす。そういう意味でCLSはメルセデスにとって、相撲界において台頭する朝青龍、あるいは躍進著しい琴欧州のような立場と言えるのかもしれない。
しかしながら、朝青龍や琴欧州の活躍は周囲の日本人力士を発奮させ、また相撲界全体を良い方向に導くことも考えられる。CLSの人気は、メルセデス・ベンツをどこへ向かわせるのだろうか……。
(文=島下泰久/写真=高橋信宏/2005年12月)
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