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めちゃ♥ モテ「ブレラ」の謎を解く (アルファ・ロメオ・アルファ・ブレラ)
(06.05.21)
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理屈じゃないのだブレラは
アルファ・ロメオ・アルファ・ブレラSky Window 2.2 JTS(FF/6MT)
……504.0万円
本当にブレラってイイの? 意地悪にそう自問自答してみる。デザインにしても走りにしても、たいしたことない……そう言おうとして、言いよどんでしまう。アラを探せばいくらでもあるのに、どうして惹かれてしまうんだろう。前に見た3台と決定的な違いは、いったいどこにあるんだろう。
■
カッコ悪い……いや、イイ
改めてまじまじと、いろんな角度からブレラを見つめて、その人気の理由を考えてみる。そのスタイリングは、うーん、やはりまだ手放しでカッコ良い! と賞賛するには至らないというのが本音だ。ノーズが長過ぎない? とか、要するに大きくて平べったいハッチバックじゃん! とか、いろいろ思う。けれど、こんなのカッコ悪いよ、何で皆が騒ぐのかさっぱりわからない……ということも、やはりない。そもそもノーズがとか何とか言っている時点で、すでに興味を抱いてしまっていることは確かなのだ。
実際に走らせてみると、ますます似たようなことを感じてくる。2.2リッターJTSユニットは、従来のツインスパークの弾けるようなレスポンスはないし、アクセルオフ時の回転落ちも鈍い。最初はアレ? と思うのだが、乗っているうちに、全域で粘り強いトルクや、全開で踏んでいくとトップエンドで一瞬フッと回転が軽くなるという心憎い演出に、いつしか結構イイかな、なんて思い始めている自分に気付く。
ハンドリングにしても、たとえばGTあたりで感じるような乗ってすぐ直撃するような刺激は薄いものの、ストローク感のある4輪を執拗に伸ばしたり縮めたりして路面をぴたりととらえ、ワイドトレッドとショートホイールベースの効果で思うままに向きを変えていく走りの次元の高さは、コーナーを曲がるたびに、ほほーっと唸らせ、そしてまた次のコーナーに挑む気持ちを沸き立たせる。
■
「期待通りのアルファ・ロメオ」
一体なぜだろう。なぜブレラは、こうしてステアリングを握っているうちに、どんどん印象がポジティブになっていくのか。
ひとつには、それが人間の感性に忠実というか、正直だからかもしれない。この精緻な手応えが……とか、こだわった重量配分が……とか何とか理屈より先に、手足の延長となって気持ちよく動いてくれる走り。そういう意味では、限界は高まり洗練は進んだけれど、これは実に、皆が期待する通りのアルファ・ロメオではないか。
エクステリアについても、似たことが言える。この顔でいくんだと決めたら、何憚ることなくそれでいく。フェンダーを張り出させようとなれば躊躇せず思い切り大胆に。ラウンドしたリアゲートや、下端がV字とされたウインドウも、すべて我慢がないというか奔放だ。その結果、多少均整が崩れても、サイズが大きくなっても気にしない。
いや、実はそのサイズという要素だって、クルマの存在感を高めるためには間違いなくプラスに作用している。インテリアにしたって、昔ながらの自動車評論に則れば、159とパーツを共用しているなんて話になるのかもしれないが、実際それはブレラの昂揚感には関係ない。3連のエアダクトとその下の3連メーター、そして大胆な色使いも選べるレザーのトリムにシート、これらはアルファ・ロメオのクーペに期待する色香を、豊潤に感じさせるに十分だ。
【スペック】
全長×全幅×全高=4415×1830×1365mm/ホイールベース=2530mm/車重=1580kg/駆動方式=FF/2.2リッター直4DOHC16バルブ(185ps/6500rpm、23.4kgm/4500rpm/価格=463.0万円(テスト車=504.0万円/パックバイキセノン(バイキセノン・ヘッドライト+ヘッドライトウォッシャー)=10.0万円/パック ペッレ フラウ(ポルトローナフラウ社製レザー仕上げインテリア+フロントパワーシート+フロントシートヒーター)=31.0万円)
■
存在感だけですべてを語れる
そう、つまり理屈じゃないのだブレラは。オープンカーなのに屋根を閉めた時も何とかかんとかでエラいとか、見た目はオーソドックスなハッチバックなのに実はハイパワーのエンジンを積んで云々でエラいというのでもない。もちろん内外装の仕上がりのおかげでエラいわけでも、やはりないだろう。その見てくれは、ディテールだプロポーションだという微細な話を突き抜けて、凄まじいインパクトでひと目見る間に魅了する。走らせても、その理由をあれこれ詮索する必要などない心地よい一体感を喚起する。
意味も理由も聞かなくても、魅力を感じて惹き付けられてしまうクルマ。それがブレラなのだ、きっと。そういう意味で、ブレラはとってもイタリア車だなぁと思う。もしかすると、ここ数世代の中では一番、アルファ・ロメオかもしれない、とも。無論、それはイタリアの熱い情熱……みたいなもののなせるわざではない。彼らは、クルマをそういう風に作っているのである。
今回の4台、どれも魅力的な部分は沢山持っているけれど、僕も結局は、おそらくはあまり悩まずブレラを選ぶと思う。いちいち理由を述べる必要などなく、スペック表を見る必要もない、その存在感だけですべてを語れるクルマ。ブレラはそんな1台であり、だからこそ多くの、熱い視線を注がれていると思うのだ。
(文=島下泰久/写真=峰昌宏/2006年6月)
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