
マイナス40度という極寒の環境にあっても、モービル1の化学合成油はエンジンを守りつづける……バナナで釘が打てるというセンセーショナルなコマーシャルは一世を風靡した。
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■航空機用から始まった
「マイナス40度の世界では、バナナで釘が打てます。新鮮なバラも、このとおり……」
凍ったバナナで板に釘を打ち付け、凍りついたバラの花を指で触ると、パリパリと音をたてて割れるという、なんとも印象的なテレビCMで一世を風靡したモービル1。モービル1というブランドだけでなく、化学合成油というものの認知度アップに大いに貢献したこのCMがオンエアされていたのは、いまから20年ほど前、1980年代のことである。
そのモービル1誕生の序章は、約40年前に遡る。開発のきっかけとなったのは、航空母艦から離発着する軍用機に頻発した厄介な問題。気温の低い上空を飛行中にホイールベアリングのグリースが凝固してしまい、着艦する際にベアリングが破損してしまうのだ。この問題を解決するために開発されたのが、化学合成ホイールベアリンググリースだった。
その技術をベースに生まれた化学合成オイルは、気温がマイナス40度にも及ぶアラスカ北部におけるディーゼルエンジン用として使われ、実績を築いた。既にお気づきだろうが、冒頭に紹介したかつてのCMの「マイナス40度の世界では……」という設定は、実験室だけの話でもなければ、もちろんハッタリでもなく、まさにこの時代のフィールドワークから生まれたものだったのである。こうした研究開発を経て、化学合成エンジンオイル「モービル1」が世界に先駆け1971年に登場。日本国内市場へのデビューは、1973年のことだった。
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