
あの手この手とさまざまな機能を繰り出してくるパナソニックの案内は、ユーザーを選ばない万人向けの仕様。
各種の交差点案内は、赤い絨毯の上を無理に歩かされているような印象がなきにしもあらずだが、それだけに安心感が得られる。特に不案内な土地では、これぐらい半ば強引な案内をしてくれたほうがいい場合も少なくないはずだ。
一般道の案内表示画面は交差点名称等の情報量が多く、最初のうちはやや煩雑に見えがちだが、慣れてくるとかえって重宝する。高速走行時は、広域を雰囲気のある画面で見せるハイウェイサテライトマップが便利。音声案内は、聞き取りやすい声質で、交差点名を案内に盛り込んでくれるため、視線を動かすことなく方向が確認できる。完成度の高い案内性能を実現している。
ルート案内の上手さは従来から定評のあるところだが、今回も改めてそれを実感した。まずは一般道の交差点案内。これが抜群の完成度。特に拡大図のイラストの描き方が絶妙で、どのように曲がればいいかが的確にわかる。
音声案内に交差点名称が盛り込まれる点も親切でわかりやすい。レーン表示の多用も、画面上はやや煩雑になるものの実用的で、都市部を走行する場合にはきわめて有効。難交差点案内や側道案内はきわめて有益だ。
こうした先々の状況を的確に教えてくれるナビは安心感が違う。従来からのリアル交差点拡大図も鮮明でわかりやすい案内画面だが、新搭載の“カットインムービーガイド”は大胆な表示による積極的な案内方法として注目される。
ルート案内の中心的役割を果たす交差点拡大図は、曲がるべき方向は比較的わかりやすいが、周辺の道まで描き込まれているため視覚的にはやや乱雑な印象。ただランドマーク表示と音声による読み上げで、上手くカバーしている。
ドライバーズビューによる案内は、前方状況が把握しにくい傾向がある。画面上部のルートインフォメーションの矢印に触れると、次の案内地点の地図表示と音声案内が行なわれるが、これはきわめて便利な機能であり、オートフリーズームとともに運転者に大きな安心感をもたらしてくれる。
曲がるべきポイントの手前30メートルで最後のひと押しの方向ガイドを行なう音声案内も優れた機能。音声案内はしかし、今年からナレーターが代わり、あまり特徴のない声になってしまった。
マニアックな性格を極力排したナビながら、本機のルート案内は意外や細かいところにも配慮が行き届いている。そのひとつが画面上部に表示される走行中の道路名称表示。運転時に役立つ情報だけにこの表示はありがたい。同じく画面左上に小さく現れる合流の表示も親切だ。
一般道の交差点拡大図は、大規模交差点の明瞭なイラストと、小さな交差点で表示される模式図の拡大図ではクォリティに大きな違いがあるが、模式図のほうも3D表示もできるなど見せ方が工夫されており、やや頼りなげな描き方ながら、交差点付近の道のつながり方も比較的よくわかる。
VGA画面ではないため、他の上級機のように一瞬で多くの情報は読み取れないが、不足感はさほど感じない。
地図画面から受ける印象と同様に、ルート案内も全般に控えめな仕様。そのため初めて使うと、情報を一括表示する一般道交差点案内などは戸惑うかもしれないが、慣れてしまえばそれらの情報の表示パターンを読み取って走ることができるようになるはずだ。
ただ、いわゆる交差点拡大図は欲しいところ。交差点近くでは、情報一括表示部とともに自車位置を中心とした拡大画面が表示されるが、これだけではいささか心許ない感じがする。
高速道路の分岐では、イラストによる分岐図と音声によって案内を実行。その開始タイミングは早めで好ましいが、イラストの図中の方面案内やランプ名などの文字が小さいため、一瞬の視認では判読しづらいことがある。





