カーナビ実走テスト














最新ラインナップ紹介
















webCG カーナビの達人
webCG カーナビの達人 > テスト編|クラリオン MAX960HD

カーナビ実装テスト
クラリオン MAX960HD


●MAX960HDはこんなナビ

クラリオンは06年初め、国内ブランド名を従来のアゼストから世界共通のクラリオンに変更。同社のカーナビはかねてより使いやすさには定評があったが、新グローバルブランドのテーマである、人と情報・映像・音・操作のインターフェイスにウエイトをおいた製品作りがなされている。
MAX960HDは、その新生MAXシリーズナビの最上級機。2DIN一体型ボディに、40GBのHDD、7型タッチパネル方式VGAモニター、DVD/CDおよびMDデッキ、5.1chプロセッサーや各種デジタル音響制御機能、4chアンプ等を内蔵、ナビとAV機能の統合を図っている。
他の大多数のHDDナビと同様、HDDを活用してのCDの録音、再生機能は本機も搭載、最大4000曲が録音できる。ナビ部には経路の妥当性を向上させる統計渋滞データ、TVや雑誌で紹介されたスポットが検索できるTVサーチなども新搭載。
地デジチューナーは今般、ワンセグ型が新たに登場、エンターテインメント性もさらに高まった。





●「操作性」を評価すると

ハードキーはフレーム右側と下端に並べた逆L字型配列。一般にはソフトキー扱いとされることの多い地図縮尺もハードキーとして独立させ、操作性を高めている。各々のキーのレスポンスは素早く、スムーズに操作できる。
スクロールは、引っ掛かりや地図切れなく動きもハイスピード。ただ可変型ではないため行き過ぎることも多く、微調整も慣れが要求される。メニューは、画面をシンプルかつ大胆に分割、文字も大きく読みやすいが、全般に文字に頼る傾向が強く見受けられ、もう少し直感的に理解できる工夫がほしいところ。
検索画面では、地点名とともに地図が表示されるようになれば格段に使いやすさが向上するはずだ。起動時間はおそらく全ナビ中最速。瞬時にして立上がる。





●「地図」を評価すると

すっきりとクリーンな仕上がりの地図だ。それだけに細部まで見通すことができ、一般道や細街路の様子もよく理解できる。種別ごとの道の塗り分けがしっかり行なわれているのに、これだけ鮮明な印象を与えるのは全体のデザインがしっかりとれているからだろう。
文字表示はやや少なめ。これに対して市街地図はやや沈みがちの表示という印象を受ける。3D-CG描写によるスクエアビューは、建物の細部に至るまでよく描き込んであるが、実用性という点ではいささか疑問。ときに表示させてCG地図を楽しむエンターテインメント用機能と考えた方がよさそうだ。
現在位置の更新回数アップや表示位置の補正等により、自車マークの動きも滑らかさを増している。





●測位 川崎

鋭さはないものの手堅くまとめた印象
クラリオンのカーナビは、従来のアゼスト時代から、大向こうを唸らせるような見栄を切ったり、派手さをアピールすること皆無の質実派の代表旗手。使いやすさをモットーに、少しずつ着実に性能を高めてきた。測位に関しても、尖鋭的な性能を狙うことなく、実用に徹した仕様という印象が強くする。
こうした手堅い造りの積み重ねが功を奏したといっていいだろう、今回の上下道判別性能を主眼とするここ羽田ランプ周辺でのテストでは、過不足のない性能を発揮してみせた。コース走行の初めの部分。ここは首都高速が高架になっていてGPSが受信しづらく、しかもその状況で側道をクランク状に走らなくてはならず、真上には首都高速が待ち構えているため、ともすると誘引されがちになる。
かつてのナビは、こうした場所で誤測位を起こすものが多かった。最近のナビはしかし、上下道判別能力が向上。MAX960HDも、高速に誘引されることなく、この場所を通過。その後、頭上の首都高速から少し離れる部分でも的確に自車位置を表示。続いて高架に沿って東進するところも、他の一部機種のように高速に乗ったり南側の一般道に飛ぶといった誤測位は起こさなかった。画面には入っていない北端部における方向転換も、まったく問題なし。コースの後半、穴守稲荷近辺の走行や羽田入口への進入およびその後の走行も的確だった。
このように羽田におけるMAX960HDの測位は満足すべき結果を残したが、敢えていえば走行中の自車マークが時折、やや安定感に欠ける動きを見せることがあった。今回の成績に水を差すわけではないが、そのあたりが改善されれば、ドライバーの抱く安心感、信頼感はいちだんと大きなものになるに違いない。







●測位 千葉そごう

旋回時の方位喪失で破綻をきたす結果に
一部の尖った性能よりも、誰もが使いやすいバランスの取れた性能を志向するクラリオンのナビにとって、千葉そごう駐車場のような場所は荷が重いかもしれない。事実、アゼスト時代からここではあまり芳しい成績は残していない。しかし今回、首都高速・羽田ランプではなかなかの好結果。その勢いに乗って、良好な測位性能を発揮してくれることを願いつつテストを開始した。
道路から駐車場への進入はまったく問題なし。道離れはスムーズで、場内走行時の動きも悪くなかった。しかし少し旋回上昇したところで異変が発生。自車マークが突如、すぐ隣にある線路上まで飛んでしまい、少し経ってから自車位置近くに戻ってきた。その後は建物を大きく飛び出すことはなかったが、こうした予期せぬ動きによって正確な位置表示はできず終い。最上階での駐車時には、自車マークが建物の側壁部に頭を突っ込んだ格好で停まってしまった。
下りを開始した直後の自車マークは、建物との位置関係はずれているものの、動きと方位変化はおおむね良好。しかし、動き始めの座標がずれているため正確な位置が表示できないうえ、途中で南側の道路に近づいた際にマップマッチングの吸引力に絡め取られたのか、建物の南側で旋回。その後、実車が旋回路から外れて線路沿いの道を西進し始めると、本機の自車マークは北西に進行して線路を横断。実車が出口に辿り着いたときには、それより北にずれた場所に自車マークがあった。
GPS電波を受けられるようになってからの正しい位置への復帰は、遅くもなく早くもなくといった印象。旋回時の方位の追求性がもう少し良好ならば、かなり異なる結果になったのではないかと思われる。





●「検索」を評価すると

検索方法のバリエーションは、他のナビとほぼ同様。しかし、実際に使ってみると本機の親切な作りが実感できる。50音検索入力支援、近隣県絞り込み等は、ちょっとしたアイデアと工夫で使いやすさを格段に向上させている。
50音検索結果の並び替えや絞り込みも可能で、特に任意の文字によって候補を絞り込むことができる文字抽出機能は便利。駐車場ニアピン・駐車場リレー検索は、従来から高く評価されてきたことが改めて理解できる出来ばえ。周辺検索も使いやすい。
TVリサーチは車載ガイドブックといったところか。このように使いやすい本機の検索機能だが、やや残念なことにデータの充実度がいまひとつ。地点検索の精度は、今回チェックした限りではあまり高いものではなかった。





●「ルート探索」を評価すると

カーナビで最多の8ルート探索機能を備えているが、最初に標準ルートを引いておいて、その後で複数計算を行なうという手順。探索スピードは1ルートでもさほど速い部類ではないため、全ルートともなると時間がかかる。現実に8ルートも必要かという意見もあるだろう。
しかも全ルートの同時表示画面では、地図が小さすぎ、縮尺変更やスクロールも不可能なためルートの比較検討は不可能。このあたりはもうひと工夫欲しいところだ。 高速道路の乗降IC指定も行なえない。道選びは探索条件を変えても道幅の広い国道や幹線道を主体に選ぶ万人向け。複雑な最短ルートは引かないタイプのようだ。経由地を設定しても、そこまでルートラインを引かないこともあった。





●「ルート案内」を評価すると

地図画面から受ける印象と同様に、ルート案内も全般に控えめな仕様。そのため初めて使うと、情報を一括表示する一般道交差点案内などは戸惑うかもしれないが、慣れてしまえばそれらの情報の表示パターンを読み取って走ることができるようになるはずだ。
ただ、いわゆる交差点拡大図は欲しいところ。交差点近くでは、情報一括表示部とともに自車位置を中心とした拡大画面が表示されるが、これだけではいささか心許ない感じがする。
高速道路の分岐では、イラストによる分岐図と音声によって案内を実行。その開始タイミングは早めで好ましいが、イラストの図中の方面案内やランプ名などの文字が小さいため、一瞬の視認では判読しづらいことがある。





●「細街路探索」を評価すると

クラリオンの一般道に引かれるルートライン色は黄色が基本、細街路は紫と決まっている。こうしたラインの色から判別すると、MAX960HDが選んだルートは、大半が一般道で、細街路はその先端のごくわずかな距離だけということになる。
しかし実際には、画面の下方、大久保通りを右折した後、目的地に向かって北に走行する道は、幅5.5mにはとうてい満たない狭い一方通行路。自転車とすれ違うのも大変なほど細くなっている場所もある。データが完全に整備されていないのではないだろうか。
今回、この場所では目的地に辿り着くことのできるルートを描いたが、ほかの場所ではどうなのかと、そのあたりに少し不安を抱かざるをえない結果となった。




Copyright © Nigensha Publishing Co., Ltd. All rights reserved.