オートバイの未来がちょっと楽しみになった。
技術ありき、ではなかった

  • 河西
  • オートマチックのスポーツクルーザー」という新しいコンセプトでモーターショーに登場し、僕らを驚かせてくれたDN-01ですが、こうして実車を目の前にしてみてどうですか?
  • 松井
  • ショーのひな壇で見るよりカッコいい!
  • 河西
  • 僕もそう思う。ステージ上にあるより、こうして普通の目線から見たほうが、ロー&ロングなプロポーションがよく分かる。
  • 松井
  • 近くから見ても、カウルの合わせ目はピシッとして隙がないし、配線類もしっかりカバーされている。細部の仕上げに手を抜いてないところが好印象ですね。ほら、そういうのはショーでは分からないから。
  • 河西
  • カウルの合わせ目ですか。ハハハ、いきなりマニアックな視点だなー。でも僕も各部の仕上げや質感を見て感心した。日本の二輪ユーザーの間にはなんとなく「輸入車=高級」というイメージがあるけど、このDN-01は輸入車と並べても負けない高級感、存在感を持ってますよね。
  • 松井
  • エンジンは680ccのVツインですよね? でも実際はもっと大きなモデルに見える。リッターバイクって言われても不思議じゃない。
  • 河西
  • むしろミドルクラスには見えませんね。さっき180cm以上ある松井さんが跨ってもぜんぜん小さく見えなかったもの。でもシート高はクルーザー的に低いから足着きはいい。この車格感とライディングポジションは、多くの「大人のライダー」にとって気になる存在には違いないでしょうね。
  • 松井
  • DN-01が2005年のモーターショーにコンセプトモデルとして初めて登場したとき、開発者の方にインタビューしたんです。そのときに聞いたのは、「既存のモデルをブラッシュアップ、あるいはリニューアルという形で進化させていくと、日本人の高齢化やライフスタイルの変化のなかで、オートバイはどんどんニッチな商品になっていってしまう。だからまったく新しい提案が必要だった」ということ。つまり「ディスカバー ニューコンセプト」なんですよと。
  • 河西
  • なるほど。“DN”にはそういう意味が込められてるんですね。知らなかったな。
  • 松井
  • 「ディスカバー ニューコンセプト・ゼロワン」。つまり新価値創造でやろうと。まずはこれからのオートバイはどういうモノであるべきかをゼロから考えて、そこから「オートマチック・スポーツ」というコンセプトが生まれた。
クラッチレバーのない、すっきりとした左のグリップまわり。グリップ付け根の+/−のスイッチによりギア比を6段階に変速できるマニュアルモード、さらに「S」と「D」の2つのフルオートマチックモードを使い分けることで、街中やワインディングロードなどシチュエーションに合わせて走りが楽しめる。


ガンメタリックに塗装されたエンジンは輸出モデルのドゥービル用をベースとした680cc水冷V型2気筒。トランスミッションはホンダ独自の新型オートマチックトランスミッション、油圧機械式無段変速機「HFT(Human-Friendly Transmission)を採用。


クルーザーライクなシャフトドライブを採用する。フルカバードされたドライブトレインはどこか四輪車的な印象。スイングアームは片持ち方式、マフラーは右側1本出しとなる。
  • 河西
  • 僕自身、ホンダというメーカーには“技術ありき”というイメージを持っていたから、正直、その話はちょっと意外ですね。まず大型バイクに搭載できるATができて、そこからこのDN-01のコンセプトが生まれたと思ってたから……。
  • 松井
  • じつは僕もそう。でもエンジニアによればそれは逆だと。先日たまたま新聞で、かつてホンダのF1総監督をされていた桜井淑敏さんのインタビュー記事を読んだのですが、そこで「人の心が分からないやつに、人を喜ばせる技術なんて作れるわけがない」というようなことをおっしゃっていたんです。だからこのDN-01を見たときも、なるほどホンダの“根っこ”っていうのはむしろこっちなんだな、と思った。
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