レクサスの新たな柱

次期GSの走りに関する技術的なポイントは、大きく分けて三つ。「高剛性ボディ」と新開発の「サスペンション」、そしてLDH(レクサス・ダイナミック・ハンドリング・システム)と呼ばれる可変ステアリングとリアステアを組み合わせた「ハイテク制御」。つまり、強固な骨格にしなやかな足、優れた頭脳が走りを支えるのだ。最初の数メートルで感じられた「鋭い反応」はそれらが源になっている。開発陣の言葉を借りれば、「切れの良さ」と「鋭さ」。次期GSで目標とされたふたつの要素は、見事に形になっていた。初期応答はハッとするほど鋭く、コーナリング中の湧き出るような旋回モーメントも印象的だ。イメージビデオは決して誇張ではなく、これならひとりで深夜のワインディングに挑もうという気にもさせてくれる。

だからといって乗り心地を犠牲にしていないところに、レクサスであることの自負が見え隠れする。路面からの強い突き上げは、巧みにいなす。その気になればISに迫る軽快なフットワークが得られるが、普段はLSのような優しさに浸れるという、ミドルセダンならではの高いレベルでのバランスが確保されているのだ。さらに、乗り心地や加速フィールは、ドライバーの好みに応じて選べるようにもなっている。センターコンソールのダイヤル操作によって、燃料消費に配慮した「ECO」モードから、最大の走行パフォーマンスを引き出せる「SPORT S+」モードまで。しかし、その「SPORT S+」とて、脳天まで突き上げるような乗り心地になるわけではない。走りを追求しながらもやり過ぎることのない、大人のさじ加減である。

操縦性のあまりのインパクトに紹介が遅れたが、次期GSは、エンジンも洗練されている。基本となる3.5リッターV6は、パフォーマンスはもちろん、エンジンサウンドまでチューニングしたという刺激的なもの。いっぽう、ハイブリッドモデルは、ハイブリッドというイメージとはかけはなれて加速が鋭い。ターボエンジンかと疑いたくなるほどである。このクラスのライバルたちは、いずれも手ごわい。だからといって、この次期モデルには、たじろぐことなくこれからのレクサスブランドをけん引していくのだという強い信念が感じられる。明らかに次のフェーズへと昇華された走りを武器に、レクサスブランドの新たな柱となりうることに疑いはない。(文=木下隆之/写真=小林俊樹)