Driving Impression

新しいスタイルには新しい「顔」を

軽井沢。ここに、1日に1組しか客をもてなさないリストランテがある。その名は「フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ」。今年の1月に都内から中軽井沢に移転した伝説のリストランテに、東京からランチを食べに行こうというのだ。おいしいものを食べるために、200km以上も走るなんて、新型XFがなければ、思いつかなかったに違いない。XFのステアリングを握ると、なぜか遠くまで走りたくなる。それは新型になっても同じだ。ところで、英国のスポーツサルーンというと、大抵の人はコノリーレザーとウォールナットに囲まれたシートを想像するかもしれない。でもそれはジャガーの魅力のなかの「伝統」を味わったに過ぎない。ジャガーにはもう一つの魅力がある。それは革新的でアグレッシブな部分だ。

歴史をさかのぼると、ジャガーというブランドは、80年余りの長いクルマ作りのなかで、定番の「顔」を持ったことがないことに気付かされる。1931年の「SS1」に始まり、「XK120」、「Eタイプ」、「XJ」と名車は数多いが、同じフロントグリルはない。その理由は、ジャガーの美しいスタイルと関係があるように思う。彼らは美しいスタイルにふさわしいグリルを、新車開発のたびに創り出してきたのだ。ジャガーのブランドフィロソフィー「美しく、はやいクルマ」を実現するために、既成の概念にとらわれることなく、常に最良を追い求める。これが、ジャガーのクルマ作りの基本だ。その新しさに触れながら、2012年式のXF 3.0 Premium Luxuryで軽井沢を目指した。