Interview

美しいことはとても重要です

——ロボットをデザインするうえで、形態と機能、より大切なのはどちらと考えますか。「機能的なものは美しい、とよく言います。しかしそれは当たり前のことであって、私は美しいことが重要であり、最終的には美が機能を表現していなければならないと考えています。私の師匠である建築家の丹下健三先生は、『美しきもののみ機能的』とまで言い切っています」——非常に哲学的かつ示唆に富む言葉ですね。「あまり美しくないと思うものがあるとすれば、それは結局のところ、機能をきちっと追求しきれていないのです。すべての要素を統一していって、最終的な用途へと仕上げることが製品の存在であり、美の表れになるのだと思います。そういうこだわりを持ってデザインしています」

——ジャガーも美しさというものを、とても大切にするメーカーです。「デザインの仕事で、実はジャガーというのはよく出くわすキーワードなんです。私が以前、『今回はジャガーぽくいきたい』とロボットのコンセプトを説明したことがあったのですが、意図はとてもよく伝わりました。皆、絶対的な美しさをもつボディを身にまとった『Eタイプ』を思い出したようです」——松井さんにとって、ジャガーに乗るとはどういうことですか。「実は私は4年前まで、長らく愛車はジャガーでした。生活の一部として毎日乗っていましたし、特徴をよく知っているつもりでしたが、今回XFを運転してみて、走りも非常に洗練されていて驚きました。しかもジャガーに乗っている実感もすごくある。久しぶりにまたジャガーもいいかな……と空想にふけっています」

松井 龍哉 Tatsuya Matsui ロボットデザイナー フラワー・ロボティクス代表 1969年東京生まれ。91年日本大学芸術学部卒業後、丹下健三・都市・建築・設計研究所を経て渡仏。科学技術振興事業団でヒューマノイドロボット「PINO」のデザインに携わる。2001年フラワー・ロボティクスを設立し、ロボット「Posy」「Palette」「Polaris」などを開発。ロボット以外にも、航空会社スターフライヤーのトータルデザイン、ダンヒル銀座本店店舗設計などを手がけている。