JAGUAR
03.Impression of XF
JAGUAR XF 3.0 LUXURY/最新のモードに伝統のオーラ/ジャガーには1950年代の「マーク1」から始まるミドサイズの系譜がある。「XF」はその殻を破る意欲作でありながら、一方で英国車の作法に忠実な正統派である。
PHOTO

ミドサイズジャガーの殻を破る

「XF」というクルマはちょっと難解だ。歴史的には1950縲・0年代の「マーク1」「マーク2」から1997年縲・007年まで作られた「Sタイプ」の系列に連なるミドサイズジャガーである。ジャガーサルーンの主流モデルは、1950年代の「マーク?」あたりから、「マークX」、「XJ」へと進化するにつれて高級化、大型化し、フォーマルカーとしての性格を高めてきた。これに対して、それまでのジャガーユーザーの多くを占めていた、アッパーミドルクラスの個人ユーザーのために生まれたのがマーク1、そして後にはSタイプにまで続くモデルだった。  アメリカでの主力車種としても、大切な商品であった。ヨーロッパ文化に対する尊敬と敬愛の感情を抱くアメリカ人のハートをつかむには、特に伝統的なブリティッシュテイストあふれたSタイプは最適だった。だからミドサイズジャガーは、XJ以上に古典的なルックスを重視して、それを最大の魅力としたクルマだった。

だが2008年、Sタイプに代わって登場したXFは、一気にイメージを変えた。コンセプトカー「C-XF」のモチーフを引き継いだXFは、まったく新しい感覚のスタイリングをまとっていたのだ。古い英国高級車を彷彿(ほうふつ)させている、落ち着いたスリーボックス・スタイルからなるプロポーションから卒業し、あたかも4ドアクーペのようなシルエットと、国際的な高級車造形の最新トレンドに真っ向から勝負するような表現に満ちたXFは、それまでのミドサイズジャガーの殻を破った。  より国際的で未来志向のルックスを持ち、しかもスポーツカー的なプロフィールによって、若くアクティブなユーザー層を狙ったのがXFなのである。だから、従来のジャガーファンから見ると、これがちょっと難解なクルマに思えたのも無理はない。

PHOTO