JAGUAR
03.Impression of XF
JAGUAR XF 3.0 LUXURY/最新のモードに伝統のオーラ/ジャガーには1950年代の「マーク1」から始まるミドサイズの系譜がある。「XF」はその殻を破る意欲作でありながら、一方で英国車の作法に忠実な正統派である。
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どう乗りこなすかはオーナー次第

戦前の英国製高性能スポーツカーを思わすアルミメッシュのグリルを囲むクロームのラインは、往年のXJのプロポーションだし、その上から伸びる豊かなボンネットはXKと同じ力強さを表現し、鋭い表情のヘッドライトがそれを強調する。エレガントなルーフは、あたかも4ドア化したXKクーペのように流れている。巧みなデザインは、実際の全高数値よりはずっと低くクルマを見せ、同時にノーズからテールに至るまで、徹底的に空力特性を重視していることが理解される。  コンセプトカーのC-XFは、インテリアでは数々のハイテク装備を提案していたが、その一部は生産型XFでも受け継がれている。キーレスでスタートスイッチを入れると、アルミパネルに組み込まれたエアコンのベントがゆっくりと開いていく。さらには、センターコンソール上で、円筒形の“ジャガー・ドライブ・コントロール”が優雅にせり上がっていくという演出は、この後の各ジャガーモデルで採用された。でもよく見ると、全体の構成や基本のテイストは、あくまでも歴史的伝統に従い、代々のジャガー特有の居心地の良さを与えてくれる。

走らせてみると、そのスタイリングとまったく同じ設計思想がはっきりと理解される。ミドサイズスポーティサルーンとしては最先端のダイナミック能力を実現しつつ、そのベースには昔ながらのジャガーの味わいがきちんと残っているのである。  普通に走っているXFは、文字どおりジェントルそのもので、伝統のしなやかさに支えられたエレガントなサルーンである。だが一旦ドライバーがその気になるなら、特にノーズの軽い6気筒モデルは、予想外に機敏に山中を駆け抜ける。そのときの乗り心地は全体にソリッドで剛性感が高く、たっぷりしたホイールストロークを利して4つのタイヤでしっかり大地を踏みしめ、ドライバーには大きな安心感を与える。  クルージング時には背後に隠れていたV6は、パドルシフトを積極的に使ってその力を目一杯引き出してやるなら、独特のノートを高めて優雅なボディを力強く引っ張り、ドイツあたりのライバルをしのぐ豪快さを誇示するのに、独特のライドは維持される。

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この新しいミドサイズジャガーは、きちんとジャガーの伝統を裏に持ちながらも、表面的にはとても現代的で、国際的感覚があふれた中型スポーティサルーンなのである。だからそれをどう見せるかはオーナー次第だ。外装色や内装色、内装素材の選び方から始まって、このクルマとの接し方、機械の扱い方、さらにはクルマと過ごすときのファッションから身こなしまで、オーナー個々が自分のテイストで自分自身を表現できるクルマ、それがライバルに対する、XFの最大の価値なのである。そしてトータルにそれを着こなしたとき、初めてXFオーナーになったことを誇れるに違いない。

JAGUAR XF 3.0 LUXURY

JAGUAR XF 3.0 LUXURY

<主要諸元>
全長×全幅×全高=4970×1875×1460mm/ホイールベース=2910mm/車重=1750kg/駆動方式=FR/3リッターV6DOHC24バルブ(243ps/6800rpm、30.6kgm/4100rpm)/価格=650万円