心地よい音色の真意は?

川井さんが演奏会で弾くのは、名器として名高いイタリアのクラシックヴァイオリン「ストラディヴァリウス」である。ならばその音色に、彼女が心地よいと感じる音の秘密があるのではないか。そこで、その音色の特徴を尋ねてみると、少々意外な答えが返ってきた。ストラディヴァリウスはまず、音が遠くまで響くのが演奏者にとって好ましいのだという。それに加えて、素人にとってはノイズに聴こえるような音が出るのも名器の特質のひとつなのだそうで、意外なことに、名器の音=すべて快音、ということではないらしい。

どんな分野でもそういう傾向はあるが、プロの好みは必ずしも一般人の好みと一致するものではないのかもしれない。だから川井さんは、自分が納得のいく音を奏でながら、聴衆にそれを感性で楽しんでもらう瞬間がうれしいとのこと。では、川井さん自身は普段、どんな音楽を聴いているのか尋ねてみると、たとえば水の音や鳥のさえずりといった、自然界にある音を集めたヒーリングミュージックのようなものを耳にしているのが好きだという。それを聞いて僕は、それこそまさにREGNO GR-XTが目指した世界ではないかと思った。

REGNO GR-XTの開発陣が意図した心地よい音色の真意とは、たとえばスポーツカーの排気音のように特別な音を積極的に出すことではなく、不快な周波数の音を排除したり、路面が変わるごとにロードノイズの音質や音量が激変するといった要素を可能な限り取り除いて、クルマで走っている実感を心地良く感じられる環境を生み出すことにあるのだろう。実際GR-XTは、都内を低速で流しても、東名を高速クルージングしても、箱根のワインディングロードを攻めても、常に正確なステアフィールと信頼感に満ちたグリップでドライバーの操作に素直に応えてくれる一方で、乗り心地にも音にも雑味のある粗さを感じさせない、ヒーリングミュージックのように心地よいタイヤであり続けたのだった。

ボルボV70 DRIVe(FF/6AT)

ボルボV70 DRIVe(FF/6AT)

1.6リッターターボエンジンを搭載する、ボルボの基幹モデル「V70」のエントリーグレード。2011年2月に発売された。

【スペック】全長×全幅×全高=4825×1890×1545mm/ホイールベース=2815mm/車重=1660kg/駆動方式=FF/1.6リッター直4 DOHC16バルブターボ(180ps/5700rpm、24.5kgm/1600-5000rpm)/価格=449万円

VOLVO V70 with REGNO GR-XT
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