「心地よい音色」を届けたい

中周波と高周波に注目

——まずはGR-XTという製品の特徴を教えていただけますか。

伊藤:GR-XTではGR-9000を正常進化させ、REGNOにふさわしい静粛性を目指しました。具体的には、タイヤの溝4本すべてに「3Dヘルムホルツ型消音器」と呼ばれる立体的な消音器を設けて実現しました。従来商品にも消音器は設けられていましたが、よりコンパクトな3Dヘルムホルツ型を採用することですべての主溝に配置することが可能となり、効果的でしかも安定した形で音圧レベルを低減させることができました。

——静粛性の向上だけでなく、「心地よい音色」にこだわったと伺いましたが、それはどういうことですか。

伊藤:東京大学生産技術研究所応用音響工学研究室との共同研究の結果、人が不快に感じるロードノイズにはふたつの領域があることがわかりました。ひとつは中周波と呼んでいる125Hzから250Hzあたり。もうひとつは高周波と呼ぶ1kHz付近です。これらの低減に特に力を入れ、開発を行いました。

——中周波と高周波とは、具体的にどういう音としてわれわれの耳に届いているのでしょうか。

伊藤:中周波はわりと低めの「ザーッ」という音。それに対して、高周波は「ヒュー」という高めのものです。クルマが路面の粗いところに進入すると、急に「ザーッ」とうるさくなることがあります。GR-XTでは、そういう場面の音の変化を小さくできれば、人は無意識のうちに心地よさを持続できるだろうと考えています。

——イン側のショルダー部にはユニークなデザインが施されています。これも静粛性の向上に役立っているのですか。

伊藤:これは「3Dノイズカットデザイン」と呼ばれ、ロードノイズと言われる低周波領域を改良する効果を持たせています。周囲をよりへこませたデザインを採用することにより、タイヤが路面と接地することで発生する打音が吸収されやすくなるので、ロードノイズの改善に効果があります。

ブリヂストンPSタイヤ開発第1部構造設計第3ユニットリーダー伊藤貴弘(いとうたかひろ)

ブリヂストンPSタイヤ開発第1部構造設計第3ユニットリーダー伊藤貴弘(いとうたかひろ)

1995年にブリヂストンに入社、「POTENZA RE-11」や「ECOPIA EX10」などの開発にたずさわり、「REGNO GR-XT」では構造設計を担当した。

吉田匠と伊藤貴弘
VOLVO V70 with REGNO GR-XT
VOLVO V70 with REGNO GR-XT