Driving Impression

“F SPORTの切れ味”を堪能する

シャープさにしなやかさが同居する

頭の中で、ふたつの果物ナイフを想像してみる。ひとつは、熟練の職人が丁寧に研ぎ上げたナイフ。もうひとつは、何年かほったらかしで、刃の一部に少しさびが浮いたナイフ。そしてそれぞれのナイフで、リンゴの皮をむいてみる。手入れの行き届いたナイフであれば、力を入れずにすっと皮がむけるだろう。一方、さびたナイフは無駄な力が必要だ。さらによく切れるナイフは、皮をできるだけ薄くむくような繊細な作業も難なくこなす。よく切れるナイフを使うと、リンゴやジャガイモの皮をむくというあたりまえの行為ですら楽しくなってくるはずだ。今回試乗したLDH(レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム)が備わった「GS350“F SPORT”」は、まさに鋭利なナイフだった。

道端に雪が残る、初春の箱根を行く「GS350“F SPORT”」。

早朝、箱根のワインディングロードを目指して都心を出発する。走行性能を重視したスポーティー仕様の多くは、スピード域の低い市街地が苦手だ。ちょっとした路面の不整にも、鋭角的な突き上げで大げさに反応するケースが多い。けれどもGS350“F SPORT”は、市街地でも洗練された走りを見せる。乗り心地に雑味や粗さが感じられないのだ。首都高速に上がり、東名高速を目指す。次第にスピードが上がると、しなやかさの奥にしっかりとした“芯”のようなものが見えてくる。だらしなく乗り心地がソフトなのではなく、襟を正して姿勢をきっちりフラットに保っているのだ。そして追い越し車線に飛び出そうとレーンチェンジした瞬間、このクルマの奥深さの一部がきらりと姿を現す。

ドライブモードをよりスポーティーな「SPORT S+」にセット。

CONTENTS

  • トップページ
  • 試乗インプレッション
    • 01.グランドツーリング
    • 02.ワインディングロード
  • 開発者インタビュー
    • 01.チーフエンジニア
    • 02.動的評価
    • 03.レクサスマイスター
  • フォトギャラリー
  • これまでの新型「レクサスGS」
  • 新型「レクサスGS」オフィシャルサイト