DRIVING IMPRESSION 新世代レンジローバーの走りを試す - 文=金子浩久/写真=郡大二郎 取材協力 諸橋近代美術館

つい話しかけたくなる

「レンジローバー イヴォーク」に乗ると、知らない人からよく話しかけられる。こんなクルマ、最近めずらしい。

「これがイヴォークですか? コンセプトカーと変わりませんね」
ガソリンスタンドで話しかけてきたのは30代ぐらいの男性。ドイツ製のコンパクトカーに乗っていた。クルマへの関心は高いようで、イヴォークのことは2008年のデトロイト自動車ショーで「LRX」というコンセプトカーとして発表された時から注目していたという。

イヴォークのことを知らない人も興味津々のようだった。
「これは何というクルマですか?」
高速道路のサービスエリアの駐車場で話し掛けてきたのは、初老の女性だった。
「すてきなカタチをしていますねぇ」
国産のハイブリッドカーを運転して、嫁いだ娘と孫に会いに行くところだという。駐車場にたくさん並んだクルマの中で、「イヴォークだけ全然違って見えた」から、思わず僕に尋ねてみたそうだ。

たしかに、イヴォークはイヴォーク以外のクルマたちとは全然違ったカタチをしている。特に3ドアモデル「イヴォーク クーペ」は上下に幅の狭いグリーンハウスのシンプルさと大きく張り出した前後フェンダー、「レンジローバー ヴォーグ」のモチーフをより先鋭的にしたフロントグリルデザインなどとの組み合わせによって、今まで見たことのない造形が実現されている。

プロポーションも、今までのクーペやセダンあるいはSUVとは違うカタマリ感を持っている。誰がどう見たって他と違っているから、目を奪われてしまうのは当然だろう。
停車中の交差点では横断者や通行人からの視線は痛いほどだったし、走っている最中も隣のクルマがこちらにスピードを合わせてきたりした。 めずらしいクルマに乗っていると、そういうことはよくある。でもイヴォークが違うのは、人から話しかけられるところだ。12気筒エンジンを搭載するスーパーカーや超高級車などに乗っていても同じようにジロジロ見られるが、話しかけてくるようなことはない。遠目に様子をうかがっているだけだ。

イヴォークは人を引きつける力を持っていて、人がコミュニケーションしたくなるのだろう。こういうクルマは本当に久しぶりだ。

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