Driving Impression 新世代SUVの走りを試す

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例えるならジェット機の加速

新型フォレスターが搭載するエンジンは2種類。自然吸気の2リッター水平対向4気筒DOHCエンジンと、2リッターの水平対向4気筒DOHC直噴ターボエンジン「DIT」だ。

どちらも新世代の水平対向エンジンで、ひとあし先に5月にデビューした「レガシィ」にも積まれて、燃費とパワーの両面で好評を博している。自然吸気エンジンには新しいCVTであるリニアトロニックと6段MTが用意され、直噴ターボ「DIT」はリニアトロニックのみと組み合わされる。

今回は自然吸気モデルもターボモデルも、いずれもリニアトロニック仕様を試乗した。ちなみに、新型フォレスターはすべてのモデルがシンメトリカルAWD(フルタイム四駆)である。

自然吸気エンジンは、アクセルペダルの操作に自然に反応する素直なエンジンだ。発進時にアクセルペダルを踏み込むと軽やかに回転を上げ、厚みのあるトルクが車体をしっかりと押し出す。エンジン回転数が低い領域でもしっかりとしたトルクを感じられるあたり、市街地はもちろん悪路を低速で走るような場面でも心強いはずだ。

さらにアクセルペダルを踏み込んでタコメーターの針が4000rpm以上の領域に入ると、左右から繰り出すピストンが互いの振動を打ち消すボクサーエンジン特有の滑らかな回転フィールを味わうことができる。

低回転域から高回転域まで、走行状況に応じて自在にエンジン回転数を選ぶあたり、リニアトロニックとのマッチングも入念にチューニングされているという印象だ。AWDの新型フォレスターが、15.2km/リッターという他社の同クラスFF車と同等のJC08モード燃費を記録できたのも、かなりの部分が効率的なリニアトロニックのおかげだろう。

続いて、280psの最高出力を誇る直噴ターボ「DIT」搭載モデルを試す。アクセルペダルを踏んでタイヤがひと転がりした瞬間に、自然吸気モデルとは明らかに異なる力強さを感じる。しかも無段変速機であるリニアトロニックと組み合わされることで、前方に吸い込まれるような加速が途切れることなく続く。このシームレスかつ強烈な加速フィーリングは新鮮だ。たとえるなら、離陸直前のジェット機のようである。
スイッチ操作ひとつでエンジンの“味”を変えることができる「SI-DRIVE」は、自然吸気モデルにも備わるが、直噴ターボ「DIT」には「S」「インテリジェント」の2つのモードに加えて「S♯(シャープ)」というモードが用意される。

この「S♯」モードを選ぶと、シフトセレクターとパドルシフトで8段の手動シフトが可能になる。このシフトが電光石火の速さで、しかもスムーズ。後述する懐の深い足まわりとあわせて、ワインディングロードでのスポーティーな振る舞いは、いままでのSUVの常識を超えている。